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希望採り入れ公平に配慮制度利用が当たり前に

社会福祉法人神港園

所在地 神戸市北区しあわせの村1-10
事業内容 高齢者向け通所・入居施設、診療所の運営
従業員数 685人(男性184人、女性501人)
冊子掲載 令和元年度WLBな会社ガイド
公開日 2020年2月27日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

1951年に設立され、高齢者向け福祉施設としては長い歴史を誇る神港園。職員がやりがいを持って長く働き続けられるよう、20年以上前から意識調査を実施し、一人一人の希望に応えてきました。また、全ての職員が偏りなく休みを取得できる計画休暇制度を設けるなど公平性も大事にしています。

産休・育休取得者には面談や復帰前懇談会を実施し、休職中の不安を取り除いています。

意識調査通じ職員の思いをかなえる

 神戸市、西宮市の6地域拠点で通所・入居施設から診療所まで高齢者福祉に必要とされるサービスを提供している神港園。1年を通して24時間のシフト勤務が求められる職場ですが、1988年に半日有休制度を導入するなど、早くから同法人ならではの独自制度を設け、働きやすい環境を整えてきました。
 中でも、同法人で働く職員のモチベーションアップやステップアップをアシストするための土台となっているのが、1997年から実施してきた意識調査です。異動や職責に関する希望や意見を書けるようになっており、併せて現在の仕事や法人に対する満足度も尋ねています。意識調査での希望をかなえ、2015年からの4年間に12人が非常勤から常勤になりました。
 複数の拠点で経理事務を担ってきたある女性職員は、子育てをしながら働いた経験を生かしたいと本部への異動を希望。産休・育休取得者に対する支援制度を次々に企画しました。その一つが産休前面談の実施です。手続きや制度を説明するほか、復帰時期の相談や復帰部署の選定などの相談に乗っています。
 また復帰前には、復帰前懇談会を実施し、不安の解消に努めています。さらに2017年には、本部がある「しあわせの村」内に企業主導型保育園も開設しました。過去5年間、対象者24人全員が産休・育休を取得し、復帰を果たしています。

子育て経験を生かし、産休・育休取得者の支援制度を企画。

公平に長期休暇が取れるよう配慮

 有給休暇の取得促進に取り組む中で一つの問題が見えてきました。それは、長期休暇を積極的に取得する職員がいる一方で、遠慮してなかなか取得しない人がいることです。
 そこで、2007年度から導入したのが計画休暇制度。一人一人の職員が年度初めに休暇を取りたい月と日数をあらかじめ申請します。複数の職員で取得月が重なった場合は、前年度に計画休暇を取得した日数を1日1ポイントで換算し、ポイントの低い人が優先的に取得できるようにしました。
 「公平なポイント制にしたことで皆が有休を気兼ねなく取れるようになりました」と、法人本部本部長の髙谷明さんはその効果を説きます。計画休暇制度を活用して念願の豪華客船4泊5日の旅に行った介護職員は非日常の経験に感激し、「今度はハワイに行ってみたい」と同法人のブログでつづっています。
 働きやすく、休みを取りやすい環境を整えることで、職員の仕事に対する向上心も芽生えてきました。意識調査での希望をかなえる形で自己研鑽特別休暇制度を導入。ケアマネジャー資格の更新研修などに参加する場合、有給の特別休暇が認められています。

気持ちに余裕を持って入居者、利用者の自立をお手伝い。

当たり前になってこその制度

 「私たちの役割は入居者、利用者の自立を支援すること。気持ちに余裕がないとついつい手を添えてしまいがちですが、大きく構えてじっくり待つことが大切です。働きやすい職場づくりが職員の気持ちの余裕につながれば、と思っています」と髙谷さん。
 こうした取組の結果、意識調査では「神港園で職歴を積むことが、ご自身の成長や仕事の充実につながっていくと感じますか」という問いに、8割を超える職員が「大いに感じる」「ある程度以上感じる」と答えています。それを裏付けるように、他の法人に転職した職員のうち、ここ5年間で10人が同法人に戻ってきています。
 「制度は使われてこそ意味があります。働きやすい、有休を取りやすい、ここで働けることに満足している、ということが当たり前になってきました」と髙谷さんは話します。今後は、その当たり前のレベルを高めるため、より充実した制度、仕組み、風土づくりを進めていきます。

意識調査の結果、8割を超える職員が「自身の成長や仕事の充実」を感じています。

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