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制度を正しく使うために 尊重しあう風土を醸成
日本ジャイアントタイヤ株式会社
所在地 | たつの市龍野町中井338 |
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事業内容 | タイヤ製造業 |
従業員数 | 350人(男性334人、女性16人) |
冊子掲載 | 平成29年度版WLBな会社ガイド |
公開日 | 2018年2月23日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
ワーク・ライフ・バランス実現のために整えられた制度を社員、会社の双方が効果的に使用するためには、お互いを尊重し合い、主体的に判断できる企業文化の醸成が不可欠と考える日本ジャイアントタイヤ。コミュニケーションの場づくりやリーダーシップ研修に力を入れています。
グッドイヤーの100%子会社に
同社の工場に足を踏み入れると、積まれているタイヤの大きさに圧倒されます。生産されているのは鉱山の掘削作業などに使われる大型建設車両向けタイヤで、大きいものになると直径は人間の身長の2倍を超えます。
もともと国内タイヤメーカーの子会社として設立されましたが、2012年に米国・グッドイヤー社の100%子会社として新たなスタートを切りました。その際、工場に新たな生産ラインが加わったことで、それまでの250人から350人へと社員数が増えました。「一気に環境が変わったことで不安を感じた社員も多かったと思います」と人事総務の和田章さんは当時を振り返ります。
工場長と社員が対話する場を開設
工場長と社員のコミュニケーションの機会を増やし、普段感じている思いに率直に耳を傾けることから始めようと、3年前にスタートしたのが「ラウンドテーブル」です。ブラジル人のリカルド・ピント工場長が毎月8人の社員と対話をする場で、「新人にどう教育したらいいのか分からない」「道具が傷んで作業効率が悪くなっている」など率直な悩みや意見が出されます。工場長は、全ての質問にその場で、即答できないものは後日になりますが、必ず回答を行っています。丁寧なコミュニケーションを続けることで、尊重し合う風土を根付かせようと努めています。
「ワーク・ライフ・バランスのための制度が整っていたとしても。それが正しく使われなければ意味がありません。制度は既得損益と考えるのではなく、お互いを尊重しながら利用し、しかもそれが結果的に生産性や安全性、品質の向上につながって初めて生きてきます」と人事総務マネージャー。ラウンドテーブルの取組は、そのきっかけづくりにもなっています。
また、現場レベルでのコミュニケーションを活発にし、社員の力を最大限に引き出すために取り組んでいるのが、「リーダーシップ・トレーニング」です。まず管理職を含む50人の社員を対象に、専門のトレーナーを講師に招いてリーダーシップ、コーチング、コンフリクトマネジメントなど5つのテーマでセッションを行い、自ら作ったアクションプランを部下に実践しながら体得していくという手法で学んでいます。2018年度からは実際に部下を抱える係長級の約20人を対象に、よりきめ細かいプログラムに取り組んでいく予定です。「しっかりと部下の声を聞き、強い統率力を発揮して信頼関係を築いてほしい」と期待を込めます。
企業文化と制度整備の両輪で
こうして築かれつつある人間関係をもとに、制度をよりよく利用しようとする姿勢が少しずつ根付いているとのこと。5時から22時までの間で8時間の勤務時間を選べるフレックスタイム制については、コアタイムをなくし、より柔軟に働けるように。「数時間程度の用事で半日休暇を取得していたのが取らずに済むようになり、有給休暇をより有効に活用できるようになりました」と人事総務の和田章さん。
「日本企業として培われてきた真面目で素直な部分を大切にしながら、新しい企業風土の下、会社が進む方向を理解して主体的に動ける社員を増やし、真のワーク・ライフ・バランスを実現させていきたい」と、さらなる前進を誓っています。
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