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ルーティン作業を自動化属人化の解消でやる気も向上

株式会社ピーエムシー

所在地 淡路市志筑3071
事業内容 オートバイ部品の企画・開発・販売
従業員数 30人(男性18人、女性12人)
冊子掲載 令和6年度WLBな会社ガイド
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公開日 2025年2月10日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

平均年齢34歳の同社は、若手従業員が中心になってルーティン作業を自動化するとともに、属人化解消で各自の成長を促す仕組みを構築。オートバイ部品の開発という趣味性の高い業種だけに、従業員自身がプライベートを大切にできる環境づくりに尽力しています。

平均年齢34歳。家内工業から会社組織へと転換を図り、若手が夢を持てる会社づくりを進めています。

若手従業員の一言で自動化に着手

 淡路島で大型オートバイ部品の企画や開発、販売を行う同社。家族経営から始まって長らく10人以下の少人数で切り回してきましたが、2010年代に従業員が倍増。10年前に入社し2024年11月に事業承継した代表取締役社長の正本賢将さんは、2018年ごろからさまざまな社内の課題と向き合ってきました。
 大きな効果があったのがRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)の取組です。正本社長が外部セミナーで関心を持ったRPAについて社内研修を開いたところ、専門学校時代にプログラミング知識を学んだ入社4年目の谷剛瑠さんが「役に立てるかも」と応じたことからスタートしました。
 谷さんは5部署の現状や課題を丁寧にヒアリングして独自に自動化プログラムを作成。運送会社への送り状番号の転記、顧客向けの掛け率チェック、ウェブ受注のデータ取り込みなど、日々手動で行っていたルーティン作業のプロセスを自動化することに成功しました。
 結果、月20時間以上かかっていた単純作業が1時間以内に短縮。ヒューマンエラーの防止にもつながっています。「社内の日常業務に自動化作業が溶け込んでいる様子を見るとよかったと思います。他業務で自動化できるところはないか意欲的に模索しているところです」と谷さんは話し
ます。

ルーティン作業をRPAで自動化するプログラムを作った谷さん。

属人化を解消し出荷作業の改善も

 中小企業が陥りがちな業務の属人化の解消にも取り組みました。その一環として、全部署において「この業務は誰ができて誰ができないのか」「メインでやっているのは誰か」などを明らかにするため、業務の棚卸しを実施。その結果を職能要件書にまとめてキャリア面談に活用すると、業務の平準化に向けた協議だけでなく、個々の中長期的なキャリア形成についての具体的な話し合いができるようになりました。並行して、等級制度のフレームを見直し、評価制度も改善。従業員のやる気や自己成長意欲が向上しました。
 さらに、長時間勤務が常態化しやすい物流業務においては、「即日受注・即日発送」をモットーに掲げ、顧客に迅速に商品を届ける工夫をしています。5,000種にもわたる多品種小ロットの商品に対してロケーション番号を振り、それまでベテランにしかできなかった選別・ピッキング作業を保管場所検索により誰でもできるように。出荷業務が1日約1時間短縮し、改善前の2018年に月22時間だった一人当たりの平均残業時間が、2023年には月3時間と86ポイント減少しました。2018年と2023年を比較した数字では、売上高が1.57倍、有給休暇取得率も1.7倍と効果が出ています。

5,000種類の商品にロケーション番号を振り、ピッキングしやすくしました。

二輪車と触れ合う時間こそ大事

 従業員の大型二輪免許の所有率は約8割。これまでのワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進によってプライベートな時間を取りやすくなり、仕事を終えてから島内をナイトツーリングしたり、休日に島外への定例ツーリング会を開いたりする機会が増えました。また、終業後に工場を従業員に開放しており、愛車のカスタマイズを楽しむ人もいます。 「すべてのライダーに夢を提案し、豊かなバイクライフをサポートする」が経営理念の同社。「われわれが趣味を楽しむ気持ちを失うとお客さまを満足させることはできません。純粋にオートバイと触れ合う時間を大切にしてほしいと考えています」と正本社長。「会社を良くする取組はまだ始まったばかり。これからも、働きやすさややりがいを感じられるような環境づくりを続けていきたいです」と話しています。

春や秋には月1回島外へのツーリング会を催しています。

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