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働きながら無理なく育児 女性が輝ける職場づくりを
医療法人社団はるき小児・矯正・歯科
所在地 | 明石市大久保町ゆりのき通1-4-2 オーズタウンメディカルモール4-102 |
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事業内容 | 医療歯科 |
従業員数 | 31人(男性4人、女性27人) |
冊子掲載 | 令和5年度WLBな会社ガイド |
冊子PDF | 詳細をみる |
公開日 | 2024年2月5日 |
※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。
子どもを中心にその両親や祖父母と、3世代で通うケースが多い同医院。25年にわたり地域医療を支え続けてきました。「スタッフが幸せでなければ、いい医療はできない」という考えの下、妊娠・出産などによる変化に合わせて柔軟に働ける職場環境を実現しています。

長く勤めてもらうために
女性が働きやすい環境づくりの重要性を同医院が意識し始めたのは、1999年の開業間もなくのことでした。当時の職員は新卒の歯科衛生士3人。結婚や出産で離職してしまう可能性がある女性スタッフに、家庭での育児を経て、パートや正社員として復職してもらいたいと考えたからです。「患者さんは、医師ではなく良いスタッフに引かれて来院されます。スタッフに長く勤めてもらえる環境づくりは、医院の存続意義に直結しているのです」と院長の春木隆伸さんは話します。
まず取り組んだのは、有給休暇を取りやすくすることでした。院長自ら旅行に行くなど連続した休暇取得を推進し、1週間のバカンス制度を導入。人員を増やすことで2016年には有給休暇の取得率が100%になりました。翌年には、学校のイベントや参観日などを考慮した時間単位の有休取得を可能に、さらにその翌年には週休3日制を選択できるようにしました。
また、2022年からは、主な患者層である子どもたちが昼間に来院することを見越して、長期休みの診療時間を前倒し。総勤務時間を変えず、終業時刻を19時から17時30分に早めることで、職員の生活に余裕が生まれています。「患者さんも減らず、ワーク・ライフ・バランスの大切さを実感しました」と春木院長。

雇用形態や職種を超えて連携
現在、同医院にはパートスタッフを含めて歯科医師6人、歯科衛生士10人、歯科助手、受付、事務10人が在籍。2016年に開設した院内保育園の保育士5人と事務3人(うち2人は歯科助手、受付と掛け持ち)を加えると職員は30人を超えます。柔軟な勤務形態を支えているのは、万全のサポート体制です。11人のパートスタッフを含め、勤務日の交代や急な欠勤の連絡はアプリを使い全員で共有。欠勤が出た場合はお互いにフォローし合います。そのために普段から医師が衛生士の業務を、衛生士が歯科助手の業務を行うとともに、受付、歯科助手、事務の職種間で2職務以上をこなせるスタッフを配置。さらに医院のスタッフが子育て支援員の資格を取得することで、保育士が休暇を取得しやすくなりました。
また、キャリアアップをサポートするため、学会や講習会への参加希望者には、参加費も含め交通費と宿泊費を全額負担。その間は勤務扱いにしています。

明石市初の企業主導型保育園
院内保育園開設のきっかけとなったのは、常勤の歯科衛生士6人のうち3人の、ほぼ同時期の妊娠報告です。保育士経験がある職員がいたため、保育園の開設に向け準備を進めました。「赤字覚悟でしたが、ちょうどいいタイミングで国の企業主導型保育事業がスタート。明石市初の企業主導型保育園となり、助成金により運営費を賄うことができました」と春木院長。12人の定員はほぼ満員。スタッフの子ども6人と地域の子どもたちを預かっています。
こうした取組を続けた結果、職員の79%が子ども2人以上と平均出生率を上回り、現在も4人が産休・育休中です。「早いもので最初に産休を取得した職員の子どもは20歳になり、歯科衛生士の学校で学んでいます。働いているお母さんの姿を見てきて同じ職業を目指そうと思ってくれたことが、何よりもうれしいですね」
今後は保育園のお迎え時間に合わせて現在の早番の18時30分終業を基本に変更し、バカンス制度も連続10日間に延長する予定とのこと。患者も職員も、医院に集う全ての人が輝ける職場づくりを進めていきます。

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