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女性研究者の自立やキャリアを支援 次世代のロールモデルに

学校法人武庫川学院 武庫川女子大学

所在地 西宮市池開町6-46
事業内容 学校教育
従業員数 719人
冊子掲載 平成25年度 第5回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2013年11月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

武庫川女子大学は2012年度に文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業」の採択を受け、「若手女性研究者の自立と国際化を軸とした女性研究者支援のモデル開発」に取り組んでいます。昨年には女性研究者支援センターを設け、「育児・介護支援」「キャリア支援」「国際化支援」「調査・広報」の4つのテーマで、プロジェクトに取り組んでいます。

研究支援員(左)のサポートによって、育児や介護に負われる女性研究者は安心して研究を続けることができます。

理事長リーダーシップの下に推進

わが国の科学技術研究領域における女性研究者の割合は先進国の中でも非常に低く、14.0%(2012年現在)にすぎません。こうした背景を踏まえ、文部科学省は「女性研究者研究活動支援事業」に取り組んでいます。

同大学では、大河原量理事長のリーダーシップで推進している創立80周年に向けた基本理念として「男女共同参画に対応できるグローバルな視野を持つ指導的女性を育成する」「研究力向上を図り、女性研究者の育成に努める」ことを掲げました。その取り組みの一環として2012年度に「女性研究者研究活動支援事業」の採択を受け、女性研究者支援センターが発足しました。

研究を継続できる支援員制度

取り組んでいるテーマは3つ。1つ目が「女性研究者の離職者を減らす環境・制度の整備」で、まず研究支援員制度を整えました。

「途中で中断できない実験・研究の場合、どうしても休んだり、帰ったりしづらい。研究活動を継続できるような環境が必要と考えました」とプロジェクトリーダーの福尾惠介教授は狙いを語ります。現在4人の研究者が制度を活用しており、「支援員がサポートしてくれる安心感で研究や学生指導に取り組むことができた」という声も。制度を利用して学会における賞を獲得するケースも出ています。

また、女性研究者同士が本音を語れる場として「サロン」を設けており、仕事や育児、介護について率直に思いをぶつけ合っています。月に2回、専門のアドバイザーによる育児・介護の相談窓口も設置しています。

女性研究者同士が本音を交わす場「サロン」も開かれます。

2つ目が「若手研究者の自立、国際化を促進するキャリア支援」です。研究者として脂が乗る時期に、育児などで研究論文のために時間が取れないといった状況を改善するため、論文の作成をサポートするプログラムを充実。英語論文の書き方や統計解析の方法、研究費を獲得するための申請の仕方などを学ぶセミナーを開催しています。

また、海外の大学での研究を後押しするため、海外留学の情報を発信するほか、英語でのプレゼンテーションのための支援を実施。アメリカにある分校と連携し、女性研究者を招いて、研究を取り巻く環境や取り組みを学ぶ機会を設けています。「研究を継続できる環境を整え、海外留学のキャリアを積むことは准教授や教授などの上位職に就くステップにもなります。学生が女性研究者になりたいと思えるようなロールモデルを示せれば」とプロジェクト推進室長を務める横川公子教授。

外国の先進事例を吸収するため外国人研究者の招へいも行われます。

男女共同参画推進室も開設

3つ目は「意識改革」です。「学内の会議が夕方6時から始まるというような話もあります。育児、介護などの都合で出られない時は断れるようにするなど、研究者ならではの風土も変えていかなければなりません」。そのため「大学における男女共同参画の実現」をテーマにした意識啓発セミナーを開催するほか、女性研究者の採用も増やしていくそうです。こうした取り組みもあり、同大学の女性研究者の在職比率は2011年の33%から36.6%にまで増えています。

女性研究者を対象とした取り組みから広がりを持たせるため、2013年4月には新たに男女共同参画推進室を開設しました。

「女性研究者研究活動支援事業」の採択を受けたのは関西の私立女子大学では初めてのこと。「今後は関西の他の私立女子大とネットワークを結び、本学で培った経験をモデルとして発信していくことができれば」と話しています。

女性研究者の活動支援について語り合う若手研究者のセミナー・交流会が活発です。

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