• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 一般財団法人甲南会 甲南加古川病院

表彰事例紹介一覧へ戻る

看護師のサービス残業を解消 WLBの取り組みは院内に広がる

一般財団法人甲南会 甲南加古川病院

所在地 加古川市神野町西条1545-1
事業内容 医療業
従業員数 272人
冊子掲載 平成25年度 第5回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2013年11月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

甲南加古川病院は、看護師が働きやすい制度や風土をつくろうと2010年から院内に看護部長を筆頭とするワーク・ライフ・バランス(WLB)推進チームを発足。アンケートで浮き彫りになった課題を基に解決策を探るとともに、個々の生活に合わせた働き方を認める意識の醸成に努めてきました。2013年度からは院内全体の取り組みに広がり、チーム医療の実践にもつながっています。

看護師が働きやすい制度をつくるためワーク・ライフ・バランス推進チームができました。

アンケートで課題を抽出

看護師の確保は多くの病院が共通して抱える大きなテーマ。同院も例外ではありませんでした。加えて、育児休業を取得する看護師が少しずつ増え、「休業を終えてから、気持ちよく働ける環境づくりを進めなければいけないと考えていました」と看護部長の山田鈴子さん。3年前にWLBの取り組みを始めることになった経緯を語ります。

看護部長、副部長、師長2人の計4人で構成するワーク・ライフ・バランス推進チームを発足。兵庫県看護協会に協力を仰ぎ、まず看護師の意識を知るためのアンケート調査を実施しました。結果を踏まえ、看護師全員が参加できるよう5回に分けて調査結果と今後の取り組みを説明しました。

アンケートで特に浮かび上がったのがサービス残業の問題でした。自己申告による勤務超過分は1人平均月4時間未満でしたが、実態は14時間あることが判明。「超過勤務をする場合はあらかじめ申請が必要ですが、長年の慣習で1時間に満たない超過分はわざわざ申請しないことが常態化していました」と分析します。そこで、超過勤務分をそのまま記載するよう徹底したところ、翌年の調査ではサービス残業は全て解消しました。

アンケートで分かったサービス残業の実態(2011年度)。分析、改善の努力で解消しました。

お互いさまの意識が浸透

育児休業取得後は希望する部署に優先的に配属できるようにし、短時間正職員制度や夜勤免除もできることを周知徹底しました。

制度の整備、周知と並んで重要な取り組みが、WLBの考え方を理解する風土づくりでした。「当院では、休日出勤も夜勤もみんな同じ数だけ取得する平等の意識が強く残っており、一人ひとりの生活に合わせた働き方を認める意識に変えてもらうことに苦労しました」と山田さんは振り返ります。

師長がミーティングなどを通じて、夜勤回数が違ってもいいこと、減らしたいと考えている人がいることを伝えると、「夜勤回数が増えてもかまわない」という看護師が現れるように。「育児休業から帰ってきてくれることにウエルカムという雰囲気ができた。しんどい時はお互いさまの意識が少しずつ浸透しつつあります」と成果を語ります。

気持ちよく働ける環境づくりのため、看護部でキャッチフレーズも募集しています。

院長がワーク・ライフ・バランス推進宣言

その後に行ったアンケートでは24項目中20項目で数値が改善。月5、6人だった育児休業取得者が昨年のピーク時には17人にまで増えました。急きょ、事務部長の江藤靖さんを通じて他部署に応援を募り、手術室のスタッフに手術が少ない日には入浴介助やシーツ交換を手伝ってもらったり、検査部、放射線部、リハビリテーション部にも検体搬送や患者移動を手伝ってもらったりしました。「非常にすんなりと協力してもらえました」と江藤さん。

さらに病院全体にWLBの取り組みを広げようと、2013年の春、看護部からの呼び掛けで全職員の代表による同好会的な集まりを結成しました。そして、同年7月には田中泰史院長がワーク・ライフ・バランス推進宣言。11月には初の全体での取り組みとして、長期休暇に関する実態を調べるアンケートを全職員に実施しました。「特に医師は長期休暇を取りにくい。看護師、薬剤師、コメディカル全てが協力し合い、お互いに支え合えるチームがつくれれば」というのが狙いです。

10月には、外来の一角に患者サポートセンターを開設しました。看護師が常駐し、患者が診察中に聞けなかった薬や検査のことなどについて相談に乗り、必要があれば他の医療スタッフにもつなぐ体制をとっています。「ワーク・ライフ・バランスの取り組みを契機に、スタッフ全員が協力して患者さんが気持ちよく診療を受けられる体制をさらに整えていきたい」。看護部発信の取り組みは病院全体に広がり、チーム医療の実践へとつながっていきます。

10月に開設された「患者サポートセンター」。看護師が常駐し全スタッフの橋渡し役に。

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。