• 文字
  • 中
  • 大

HOME > 事例紹介 > 株式会社香寺ハーブ・ガーデン

事例紹介一覧へ戻る

一人ひとりに合った働き方を認め 女性が伸び伸び働ける職場に

株式会社香寺ハーブ・ガーデン

所在地 姫路市香寺町矢田部689-1
事業内容 ハーブ関連商品の生産・加工、卸、小売業
従業員数 49人
冊子掲載 情報誌 vol.11 2012年春
公開日 2012年4月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

ハーブティーをはじめ、菓子やパン、化粧品など、主にハーブの加工品を製造・販売する株式会社香寺ハーブ・ガーデン。代表取締役社長の福岡譲一さんは従業員が無理なく伸び伸びと働けるよう、一人ひとりに合わせた勤務形態でサポート。職場や地域の人と協働し、支え合う「一つの村」のような会社を目指しています。

株式会社香寺ハーブ・ガーデン 代表取締役社長 福岡 譲一さん

地元農家と協力して安全な商品作り

香寺ハーブ・ガーデンは1985(昭和60)年、姫路市香寺町の自然豊かな土地に福岡さんが開業。父親が残した「ゆっくりハーブティーが楽しめ、人が集まる場所をつくりたい」という言葉がきっかけでした。会社員だった福岡さんは、一からハーブの栽培方法や効能を学び、さらに見識を深めるために世界中を回ります。南フランスでは生を受けたものを最後まで使い切る大切さを教えられ、「自然のもので世の中を幸せに」という理念も生まれました。

現在は、ハーブを使用したパンやケーキ、化粧品、地域でとれる野菜など、小さな子どもから大人まで誰もが安心して手に取れる体に優しい商品を開発し販売するのが主体。地元住民はもちろん、遠方からも人が訪れ、感謝の言葉や手紙をもらうこともあるそうです。「お客さまが抱えるさまざまな悩みを解決できる商品作りを目指しています」と福岡さんは言葉に力を込めました。

地元産のユズや茶に提携農家で栽培したハーブを組み合わせた商品の開発・生産では、2007(平成19)年10月、経済産業省から中小企業地域資源活用プログラムの事業企画認定を受けました。「原材料から容器まで、できるだけ地元の資源を活用し、作り手の顔が見える安心で安全な商品作りが理想」と思いを語ります。

また、野菜やハーブから体に良い成分を抽出するという研究開発事業にも取り組んでいます。さらに国や兵庫県の支援の下、多数の大学に協力を仰ぎ、抽出した成分を予防医療に役立てる研究も進めています。

女性の観点や能力を大切にする

ある時、大学との共同研究の中で、研究員だった一人の女子大学生の研究テーマに着目しました。ハーブを使った肌に優しい化粧品の研究という、同社の理念にも当てはまる女性ならではの着眼点に感心し、入社を打診。そして、さらなる知識の習得と研究課題への十分な取り組みを支援するため、大学院への進学を援助しました。卒業後、従業員となった彼女には商品開発専門の研究員として知識や経験を生かした重要な職務を任せています。今年春に決まった新宿店の新規オープンでは、企画担当にも任命しました。

大半がハーブを使用した食品や化粧品ということもあり、「新商品の企画に対する女性ならではの意見や、経営事務における細やかで漏れのない経済管理能力など、女性従業員をとても頼りにしています」と福岡さんは話します。

福岡さんも同じテーブルに着き、女性従業員と熱心に意見交換をします。

アルバイトでも重役に登用

現在、49人の従業員のうち45人が女性で、研究開発や工場管理も担当しています。製造統括課長(夢前工場長)の藤尾真琴さんもその一人です。出産、育児のためいったん職場を離れ、2人の小さな子どもを抱えて復帰しました。子育てに時間が取られるということで、本人の希望もあり、現在はアルバイトとして雇用していますが、短時間でも確実に業務をこなす藤尾さんの仕事力を評価。「アルバイトだからといって能力に見合った役職に就けないのはおかしい」と課長職に任命しました。少人数で短時間勤務でも効率的に業務を行うため、無駄な作業や日々の反省点を事務所にはり出して改善を呼び掛ける姿勢に、強い信頼を寄せています。さらに、実際に能率を上げた功績を評価し、藤尾さん率いる課を社内表彰しました。

無理なく働けるように配慮

他の従業員に対しても、それぞれの事情に応じて雇用・勤務形態を変えています。子育てなどを理由に短時間勤務や遅刻、早退の必要がある人は自己申告すれば、その都度対応。出産や育児により退職をしても、いつでも戻ることができる職場づくりにも努めています。

「目指すのは一つの村のような会社をつくること」と福岡さん。従業員は、65歳から22歳まで幅広い年齢がそろっています。互いの生活を理解して助け合う職場にしたいと、採用年齢の上限を設けず、定年退職制度も採っていません。

「育児などで、優秀な女性従業員が働きたくても働けないのはとても残念。今後も、女性が長く安心して働けるような職場づくりをしていきたいと思います」

保育所や社員食堂の設置も予定しており、これからもより働きやすい職場を目指します。

アルバイト課長の藤尾さん。地元の小学校を改装して造られた製造加工工場の工場長を務めます
地元農家でとれた原料を使ったブランド「播磨物語」をはじめとする、体に優しい商品たち

事例を検索する

下記の項目をチェックして「検索する」ボタンをクリックしてください。