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概要

WLB19

私たちの仕事場?「仕事と生活のバランス」最前線?子育てや資格取得のサポートで無理なく続けられる仕事に特別養護老人ホーム、ショートステイの受け入れやデイサービスの実施施設として、医療・保健・福祉・介護サービスを提供している(福)聖隷福祉事業団花屋敷せいれいの里。勤務中の職員の子どもを預かるなど育児・介護支援や、キャリアアップのための資格取得支援を通し、やりがいを持って長く働ける環境づくりを行っています。園長の山田さん(左)と竹内さん?社会福祉法人聖隷福祉事業団花屋敷せいれいの里子ども預かりで負担を軽減特別養護老人ホームの入居者だけで100人を超える同施設を支えるのは、約140人のスタッフたち。その約半数は、近隣に住む主婦を中心としたパート職員です。全国的に介護スタッフが不足している現状で、心強い戦力となっている一方、育児のための欠勤や退職といった問題も抱えていました。特に、夏休み等の長期休暇中は児童保育がなかったり親戚に毎日見てもらうわけにもいかなかったりで、人手不足に陥ることもありました。「有給休暇の大半を、子どものために充てている人もいました。もっと有意義に使ってほしいという思いがありました」と話すのは、園長の山田精一さん。そこで2011年、「夏休み中の幼稚園児や小学生を職場に連れてきていいですよ」との声掛けからスタート。希望者の増加に伴い、専任の見守り職員を付けて施設内に〝子供自習室″を設置しました。日中の勤務時間に合わせ、一緒に来て一緒に帰れるように預かる時間を設定。事前に登録していれば勤務日はいつでも利用できます。子どもたちは勉強だけでなく、施設内のホールで遊んだり入居しているお年寄りとレクリエーションをしたり、職員と施設外へ出掛けたりと多彩な体験ができる工夫も。現在は、毎日10人前後の子どもたちが通っています。「親のそばにいられるだけでなく、働く姿を見たり、さまざまな年齢の人と触れ合ったりして『社会性が身に付いた』と好評です」とケアサービス課長の竹内としさん。休暇中も平常時とほぼ変わらない出勤人数の確保が可能になり、「休みを旅行などに充てられるようになった」という従業員の声や「子どもがいるので施設内がより明るくなった」という入居者の声も上がっているそうです。育児や介護は「お互いさま」で出産や育児について、役職者にも理解や関心を深めてもらうため、勉強会を実施しています。男性職員に出産の立ち会いや育児のための休暇取得を推奨し、2012年には3週間の育児休業が取得された実績もあります。また、妊娠中は経過や希望に応じて、体力のいる介護職から負担の軽いサポート業務や事務作業に職務内容を変えられるなど、産休に入る直前まで安心して勤務できる体制をつくっています。妊娠してもまだまだ働きたい当事者が、自発的に「助けて」と言えるようになってきたと話します。介護に関しても、身近な問題として従業員の関心は高く、当事者と直接面談し状況に合わせて個別に対応。スタッフ同士でフォローし合うなど「お互いさま」で支え合う関係ができています。夏祭りなど施設の年間行事が従業員の家族同士の交流の場にもなっており、互いの家庭への理解を深めることにつながっています。12仕事と生活のバランス