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概要

WLBvol18

子育て応援「企業人」セミナーin姫路2013経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス2013年11月25日、姫路を中心とする播磨地域の事業所の経営者や人事担当者を対象に「子育て応援『企業人』セミナーin姫路2013」が県立姫路労働会館で開催されました。誰もが働きやすい環境づくりとは―。その一つの道筋を、基調講演とワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進に取り組む先進企業の代表者によるパネルディスカッションで探りました。主催:姫路経営者協会、姫路商工会議所、中播磨地区商工会連絡協議会、連合兵庫姫路地域協議会、姫路市、神崎郡町村会、兵庫労働局、兵庫県、ひょうご仕事と生活センター初めに、主催者を代表して中播磨県民局長の北川稔男氏が「WLBの実現は働き手の私生活を充実させるほか、企業側の生産性の向上や優秀な人材の確保にもつながる。本日のセミナーが、皆さんにとって有意義なものになるよう願っている」と開会のあいさつ。続いて、当センターの北尾真理子主任相談員が「多様な働き方を受容する」と題して基調講演を行いました。まず、多様な人材とはどういう人たちか、国籍や性別、経験、知識、家族構成などを例に挙げ、個々の違いには目に見えるものと見えないもの、変わらないものと変わるものがあることを説明。「多様性があ北尾主任相談員るため、それぞれが働く際に発生する制約にうまく対応することが重要」と、育児や介護と両立するための支援制度やワークシェアリング、リモートワークといった日常における多様な働き方を紹介しました。「従業員満足度の向上は、優秀な人材の確保のほか企業のイメージアップにもつながる。さらに顧客満足度も上がるといわれている」と北尾主任相談員。取り組みを進めるためには、企業理念との連動や内容の透明性、一貫性が求められるとし、制度の周知徹底や従業員の意識改革に加え、管理職には公正な評価をするためのトレーニングが不可欠と話しました。さらに「多種多様な植物や生き物が共存する『多様性の森』のように、さまざまな個性を持つ人が集まることで持続性があって滅びない組織が生まれる」と述べ、社会やそこで働く人たちの状況の変化に応じて企業側も変わっていく必要があると訴えました。その後、有限会社システムプラネット代表取締役の森崎美紀子氏と株式会社エス・アイ代表取締役の今本茂男氏をパネリストに迎え、北尾主任相談員をコーディネーターにパネルディスカッションを行い、2社の事例を基に、各社のWLBに対する考えを話し合いました。女性4人で設立し、現在も従業員13人のうち男性は2人というシステムプラネットでは、当初から育児休業や短時間勤森崎氏務制度を導入するなど女性が継続して働ける環境づくりを行ってきました。しかし、「制度はあるが周囲に気を使って利用しない人も多い。最初の取得者が出るまでが大変だった」と本音を発言。さらに、当センターが主体で実施した従業員満足度調査の結果を、社内に開示したことを明かしました。「大切にしたいことややりたいことはその時々、その人で違う。ニーズに応え、経営者がワーク・ライフ・バランスの確立に向けて直接行動に移すことに意義がある」と森崎氏。浮き彫りになった問題点を共有し、改善するため、部門を超えたミーティングや技術研修を実施した結果、半年後の再アンケートでは、満足度が2、3割アップしたそうです。「やりがいをもって働き続けられる環境整備に努めながら、小さい会社だからこそ個の声を大切にし、個の力を生かしていきたい」と取り組みの継続に意欲を見せました。次に、全員が正社員の上、出退勤時間や仕事内容を自由に決めることができるエス・アイ独自の勤務体制を、今本氏が実際の職場の映像を使って紹介。V T Rに登場した女性従業員を例に、「育児や今本氏介護で、働きたいのに働けない人の中には、高い能力を持った人が大勢いる。そういう人が力を生かせる場が必要」と語りました。加えて、勤務時間と仕事量・内容を掛け合わせて分単位で評価するため、無駄な時間が一切なくなり、効率や質も向上したといいます。「従業員のための支援制度が、結果的に会社の利益にもつながる」と強調しました。最後に、北尾主任相談員が「それぞれがやるべきことを果たしその信頼関係の上で、初めて多様な働き方が成立する」と念を押してパネルディスカッションは終了しました。閉会に伴い、「ワーク・ライフ・バランス推進の動きが広まることを期待している。〝ええ会社、ええ仕事″にまい進してほしい」と姫路経営者協会専務理事の村瀬利浩氏があいさつ。北条勝利センター長が「ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組む企業は成長するといわれる。従業員や会社のため、取り引き先のためにワーク・ライフ・バランスの推進に励んでいただきたい」と結びました。7