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概要

WLBvol18

事例報告ワーク・ライフ・バランスで社員も顧客も満足!Reportライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEO出口治明氏当社はまだ開業して5年の小さな会社ですが、ライフ・ワーク・バランスに取り組んでいます。通常はワーク・ライフ・バランスですが、考えがあってライフとワークを逆にして呼んでいます。1年8,760時間のうち人間が働いている時間は2,000時間ほど。1年のうち約7割以上の時間は、ご飯を食べて、寝て、遊んで、子どもを育てることに費やしているのです。となれば、どう考えてもライフを先にするのが正しいといえます。極論すれば仕事はどうでもいいのです。仕事が人生の全てだと思い込んでいる人は、会社で失敗したら自分の人生は終わりだと錯覚します。一番大切なのは家族、子ども、友人だと考えれば仕事を思い切ってできます。会社では信じることを堂々とやればいいのです。もちろん、3割の仕事も大事です。どんなに素晴らしい職場で仕事をしていても100%満足している人はいません。働く意味を考えるには、世界を理解することからスタートしないといけません。そのための方法が2つあります。会社であれば創業からの歴史の時間軸、競合や理想とする会社と比べる空間軸の縦横軸で見ること。そうすれば自分のポジションが分かります。もう一つは国語ではなく算数で理解すること、つまり不毛な精神論ではなく科学的根拠に基づいた仕事のやり方をすること。例えば残業は当たり前という考え方は根拠のない精神論です。長時間労働で生産性が上がったという研究結果は見たことがありません。今、日本はビジネスの力で世界では24番目だといいます。これをどう上げればよいのか。簡単です。先週5時間かけてやっていた仕事を今週は4時間で済ませればいいのです。これまでと違うことを考えることがいい仕事をする条件です。そのためには勉強をするしかありません。人に会い、本を読み、いろんな経験を積んで情報を入れなければアイデアは出てきません。ただ悲しいことに人間は怠け者で、本を読もうと思っていても誘われればお酒を飲んでしまいます。そこで大事なのがダイバーシティです。日本企業のボードメンバーを見渡すと、同じ会社で30年働いてきた男性ばかり。これではアイデアは出ません。グローバルな企業は、社外取締役を入れて、違う背景を持った人材をそろえています。だからいろいろなアイデアが出てきます。当社には定年がありません。昨年も60歳以上の方を2人正社員として採用しました。高齢化社会では当然の話で、元気な人は働き、本当に困っている人に給付すべき。それが社会の役目です。会社の方針は「元気に、楽しく、明るく」。残業を少なくし、たっぷり寝て、遊んで、元気に会社に来て初めていい仕事ができます。社員が元気で明るく働いてこそ、ステークホルダーは喜びます。この原理はどの時代も不変です。3