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概要

WLBvol18

私たちの仕事場?「仕事と生活のバランス」最前線?故郷で安心して働ける農業の新しい形を豊岡市の神鍋高原にある直営農園を中心に、周辺農家とも提携して野菜の生産・販売を行う㈱Teams。農業を通じて地元の雇用創出に努めつつ、従業員個々の能力を生かした働きやすい職場づくりに取り組んでいます。また、耕作放棄地を活用したり、就農を促進する研修会を開いたりと、地域全体の活性化にも力を注いでいます。代表取締役社長の新免さん(左)と営業部長の由良さん?農業生産法人株式会社Teams"農"で地域再生を目指す同社が事務所を構える神鍋高原は、20年ほど前まで、ウインタースポーツを楽しむ人でにぎわい、特産品のスイカやキャベツの生産も盛んでした。しかし、次第に客足が遠のきスキー場は縮小。農家も高齢化と後継者不足から減り続け、荒地や休耕田が目立つようになりました。再び活気を取り戻そうと2009年、代表取締役社長の新免将さんと専務取締役の田村寛さんが一念発起。「家族や個人による一般的な形態とは違い、長く働き続けられるよう組織化することで〝安定した収入が得られる農業″を目指しました」と新免さんは振り返ります。地元農家と提携して直売所などへ野菜を出荷する傍ら、点在する耕作放棄地約1ヘクタールを借り入れて直営農園をスタート。農業を引退した高齢者を栽培の指導者に、日中時間が空く近隣の主婦を事務や現場作業のスタッフに採用しました。さらに、元会社員のUターン者を、それぞれの経験やスキルに合わせて営業や企画・販売の担当に配属。「前の職場で働いているころは、実家をはじめとする故郷の田畑が失われていくのを知りながら、何もできない歯がゆさがありました」と話すのは営業部長の由良大さんです。今は生まれ育った土地で〝農″に携わりながら、インターネット上や都心のホテル・飲食店への販路開拓など営業経験も生かすことができてうれしいと笑顔を見せます。現在、従業員は12人。提供できる場が増えたことで月々の収入も安定し、耕作面積も倍以上に拡大、それによりさらなる雇用の創出と、プラスの連鎖を生んでいます。土地柄に合わせた柔軟な勤務体制農業は季節や天候に左右される仕事ですが、同社は基本の勤務時間を決めることで不安定感を払しょく。まず事務所に集合し、タイムカードを押してから各自農園へ向かいます。その上で、子どもの送り迎えのために出退勤時間を前後させたり、一旦帰宅して用事を済ませたりと、一人ひとりの事情に合わせて当日の申告にも臨機応変に対応しています。「地域のこと、家庭のことを最優先してほしい」と新免さん。人口が少ないため、学校や自治会の役がすぐに回ってくるという実情にも配慮しているそうです。それを可能にするのが週1回のミーティングやSNSを使ったやりとりです。コミュニケーションを取り情報を共有することで、従業員同士でカバーし合う体制も生まれています。また、農園の近くに住むお年寄りなども、登録すれば気軽に農作業に参加でき、その場合は働いた時間を自己申告してもらっています。「培った技術を携え、やりがいを持って来てくれる人ばかりです。世代を超えた交流の場にもなっています」。給料でちょっとおしゃれをしたり、遠くまで自分たちが作10仕事と生活のバランス