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概要

WLBvol17

表彰受賞企業による「学び合いの会」第5回「変わりたくない」への挑戦ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰の受賞企業同士による「学び合いの会」の第5回が6月12日、2011年度受賞企業の特定医療法人中央会尼崎中央病院(尼崎市)を会場に開催され、11事業所から24人が参加されました。同病院理事長の吉田静雄氏のあいさつの後、副院長の吉田純一氏が病院の現状について、また総務課主任で人事担当の味喜堅氏が病院について紹介されました。続いて、事務長の内田敬二氏からワーク・ライフ・バランス(WLB)に取り組む前の状況について説明があり、その後、看護部長の道脇まゆみ氏が「WLB実践と経営への効果」、サブタイトルとして「変わりたくないへの挑戦」をテーマに、取り組みの具体的な内容と、苦労についてお話しされました。道脇氏の「WLB実践と経営への効果」では、カルロス・ゴーンばりのV字回復を成し遂げられたという成果が発表のメインでした。赤字に陥り、看護師の離職率が22%(5人に1人の割合!)という最悪の状況時に看護部長に就任され、看護部だけでなく病院全体の組織改革に着手されました。「組織改革」というと身構えてしまいそうですが、最初に取り組まれたのは約300人の看護師の方々との個人面談です。道脇氏は「自分だったらどうしたら仕事を続けていけるのかを考えてみよう。その結果がWLB実現・推進につながる!まずは現場の声を聴いてみよう!」と看護師の話を聞き、その結果、「経営陣が現状を知らない」という厳しい意見も出ましたが、同時に「いつもスタッフに寄り添い、遠い存在ではなく隣にいることを示すことが大切なんだ」ということに気付き、実践を続けられました。そして、信頼関係の構築、勤務体系見直しといったお金を使わずにできることと、3交代から2交代へ、4人夜勤など人員増加、各種手当の見直しといった施策を「投資の視点」で実行されました。結果はすぐに表れ、翌年には黒字になり、離職率は8 %に減少、有休取得率は9 0 %を超え、残業時間もどんどん減っています。「トップ自らが連続有休を取得してリフレッシュすること」を進めておられ、道脇氏自身、毎年海外旅行をされています。院内保育所は24時間体制で全職員が利用でき、部門間の壁もなくなり、まさにチーム医療を実践されています。全職員が、地域の中核医療機関としての誇りを持って勤務されているとのことです。事例発表、院内見学に引き続き、本年度幹事役の株式会社ドンクの人事担当の渡邉美由紀氏とトーカロ株式会社の神戸工場長の檜山耕作氏の司会でディスカッションが行われました。質疑応答では、各部門の方々にも参加していただき、それぞれの部門での取り組み例や看護師の方々の生の声もお聞きしました。「本当に皆さんハッピーになられたのですか?」といった質問にも、「本当です。スタッフ間の意思の疎通がとても良くなりました」と答えられました。ディスカッション風景質疑応答に対応していただいたスタッフの皆さん「医療はサービス業、だから、そこで働く人たちが満足する環境を整備することが大事。そうすれば、みんなが知恵を出し、患者様の満足を考えてくれる。それが一番うれしい」―道脇氏の言葉が心に残りました。(ひょうご仕事と生活センター相談員荒谷典利)6仕事と生活のバランス