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概要

WLBvol17

う少し「公私混合」をしていくべきなのではないでしょうか。また、ライフステージによってワーク・ライフ・バランスも変わってくると思います。年齢によっても人によっても違うでしょう。そもそも人は多様だということを大前提に、いろいろなことを考えていくことが大事です。今ほど、違いを受け入れ合っていかなければならない時代はないと思います。私の父は高度成長期を支えた、いわゆる企業戦士でした。家庭を顧みず、私たちのために働いてくれました。この時代の人たちに感謝をしながら、私たちはさらに欲張っていきたい、仕事だけでなく家庭も充実させたいのです。そして、仕事と家庭の両方をうまく循環させていける職場づくり・社会づくりを進めていきたいと思います。パネルディスカッションコーディネーター/兵庫県立大学政策科学研究所所長・教授開本浩矢氏パネリスト/株式会社ヤマシタワークス代表取締役山下健治氏株式会社フジ・データ・システム代表取締役藤嶋純子氏株式会社栄水化学統括部長・女性のみらい研究室室長長村和美氏山下当社は車の部品や錠剤を作るための金型を製造・販売しています。女性従業員は30人ほどですが、現在3人が育児休業中です。そして、パートさんについては勤務時間帯を自分で選べるようにしています。業務に金型の検査があるのですが、これは一人が長時間し続ける山下氏のは厳しい仕事です。そういう意味でも、短時間ずつ複数の人が交代でやっています。10年前にタイに工場を出したのですが、タイでは女性は子どもがいても働き続けます。有給休暇はもちろん、気分が悪かったら休める休暇が年間3 0日もあります。違う文化であっても、休みやすい雰囲気づくりに努めています。開本ワーク・ライフ・バランスに取り組むと、それはコストになるのではという経営者もいらっしゃいますが。山下従業員が元気で生き生きと働いていれば、業績も上がります。そのために雰囲気づくりを大切にし、従業員とのコミュニケーションを密に取るようにしています。週に3、4回開本氏は一緒に飲みに行って、情報交換をしたり、夢を語ったりします。藤嶋弊社は産業系ソフトの設計・開発をしています。ワーク・ライフ・バランスの取り組みとしては、2 5年前からフレックスタイム制を導入しています。IT業界の平均勤続年数は2、3年ですが、弊社は18.1年。平均年齢も業界は31歳のところ、弊社は43歳です。私は12年前に代表に藤嶋氏就任したのですが、当時息子は小学2年生。稲村市長のお話にもありましたが、私も仕事50、家庭50ではなく、仕事も家庭も100でやりたいと思ってやってきました。でも時間は2倍ありませんので、そこのやりくりは、やはりコツです。開本平均勤続年数が長いということですが、人材に居続ひけつけてもらう秘訣はあるのですか。藤嶋社内にコミュニケーション会という皆が会話できる場があります。月に2回ぐらい、社内の会議室で総菜や飲み物を買い込んで飲み会をするのです。また、一つの案件が終わったら休暇を取るという流れがあるので、有給休暇の取得率も77%と高くなっています。長村弊社は尼崎商工会議所さんや地元信用金庫さんなどの清掃をしています。例えば朝6時に70人が集まって一斉に掃除をするので、人の配置が本当に大変です。試行錯誤してきた中で一番効果があったのがワークシェアリングです。1人が8時間こなすの長村氏ではなく、2、3人で分業するようにしました。その分、たくさんの人が働けますし、介護や子育てで短時間しか働けない人にも来てもらえます。逆に、介護や子育てが終わってから正社員になってもらったというケースもあります。開本ワークシェアリングをすると管理が大変なのでは。長村最初はその人にしか分からない仕事が多かったので、共有するということに手間取りました。でも共有できればお互いに助け合えます。開本多能工化ですね。他の2社はいかがですか。山下マルチ人間になれるよう、いろいろな仕事を学ばせています。藤嶋弊社では一つの仕事に必ずリーダーがいて、そのリーダーがA君は何をしている、B君はこれをしているというふうに把握しています。誰かが休んだ場合はリーダーがフォローの指示をしています。開本他に何か取り組みはありますか。山下従業員の家族や子どもが参加できる会社行事や、企業見学を随時設定しています。そうすれば子どもとの会話も生まれますし、キャリア教育にもなります。長村弊社もお子さんを招いての参観日を実施しています。また、従業員の希望があれば、クリスマスに代表自らがサンタクロースの格好をしてご自宅に出向き、子どもさんにプレゼントを届けています。5