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概要

WLBvol17

子育て応援「企業人」セミナーin尼崎2013誰もが働きやすい「ええ会社」にするヒントを紹介9月4日、阪神南地域の事業所の経営者や人事担当者を対象に、「子育て応援『企業人』セミナーin尼崎2013」が尼崎経営者協会などの主催により、尼崎商工会議所で開催されました。西上三鶴阪神南県民局長の開会のあいさつに続き、自ら仕事と家庭を両立させている稲村和美尼崎市長の基調講演と先進企業の代表者によるパネルディスカッションが行われました。基調講演稲村流ワーク・ライフ・バランスのススメ尼崎市長稲村和美氏仕事と生活は深く関わり合っている現在小学2年生になる娘を育てながら尼崎市長の仕事をさせていただいていますが、私自身、普段はワーク・ライフ・バランスをあまり意識していません。ワークとライフのバランスを取るというと、この2つを天秤にかけてどちらが重いのかを考えるようなイメージを持ってしまいますが、実はそうではないと思うのです。ライフには人生という意味もあります。人生において仕事はなくてはならないもの、大変深く関わっています。「ワークとライフは8対2」というように考えられるものではないのです。もちろん、瞬間瞬間を切り取れば「今日は子どものことだけ考えよう」「今は仕事に集中しよう」ということはあります。しかし、ワークとライフは完全に分けられるものではないのです。今は、どんな仕事でも以前より少ない人数で効率的にやっていかなければいけない時代です。だとするとこれまでとは違う発想を持たなければいけません。また、この社会にはいろいろな価値観の人が住んでいて、その人たちのニーズに合う製品なりサービスを生み出していく必要があります。そのためには、たくさんの引き出しを自分の中に持つことが大切です。仕事以外の生活が充実していないといけません。友だちと会話をしたり、家族と過ごしたり、趣味の集まりや異業種交流会に参加したりと、職場にいる以外の時間が仕事にいい影響を及ぼしていると思います。私は出産して3カ月目に仕事に復帰しましたが、最初は大変でした。子どもは自分の好きな時に泣きます。こっちの都合に合わせてくれたりはしません。この時の経験によって、いろいろな事情の人とチームを組んだり、自分の都合と相手の都合をすり合わせたりする力が養われたと思います。あとは時間のコントロール。やはり料理の時間は非常に短縮されましたね。仕事ができる人は絶対に料理も上手だと思うんですよ。料理は段取りと塩梅。これは仕事にも通じます。また、地域のお母さんたちと知り合い、付き合う中でコミュニケーションの力もアップしたと思います。それから、家事を分担している家族、夫との関係です。お互い不満や要望はいろいろあると思うのですが、ルールとして文句を言わないようにしています。歩み寄ったり、フォローし合う力というのは日々の暮らしの中で身に付いていくものだと思います。実際に家庭にどれだけの時間を使えているのかというと、世間の水準よりは少ないでしょう。ただ、長ければいいというものでもないと思います。これは仕事も同じです。職場に長く座っていてもその人のパフォーマンスが優れているとは限らないように、家に早く帰りさえすれば家庭生活が充実するというものでは必ずしもありません。ただし、仕事が長時間でもワーク・ライフ・バランスが取れているという人たちに全ての人を合わせることは、時代的に駄目なんだろうと思います。人生経験は全て財産になる私たちの人生にはいろいろなライフステージがあります。私の場合は学生時代、独身時代、子育て時代、そして今。ライフステージが切り替わると、それまで一緒だった人たちとの関わりが少なくなり、ブランクができてしまいます。でもその時代時代で知り合った人たちに今も大変助けていただいています。ブランクが生じることは仕方ないかもしれませんが、新しいステージでの経験はその後の人生において財産になるのだということを非常に実感しています。今の社会では、スタッフが育児休業を取ることや異業種で1年研修することを、ともすればブランクと捉えがちです。それを先行投資とは受け止められていません。しかし、私は家庭や地域でいろいろな経験をする、また、異業種でもまれてくる、これらはどれも甲乙つけがたい学びの宝庫だと思います。ですので、「公私混同」はいけませんが、これからはも4仕事と生活のバランス