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平成23年度 「トップメッセージが会社を変える!」

最先端企業見学ツアー終了センター主催事業 投稿日2011.11.21

トップメッセージが会社を変える!

ひょうご仕事と生活センター主催の最先端企業見学ツアーが、今年度も、企業経営者、労働組合役員など労使双方からの多数参加で行われました。
今年度は「トップメッセージが会社を変える!」をテーマに、11月21日と22日の2日間、広島県の株式会社サタケ、岡山県の株式会社ベネッセコーポレーションの2社を訪ね、企業のトップが発信するメッセージの意義を学ぶとともに、労働組合や社員の方々から、各社の取り組みや働く環境についての「生の声」を聞かせていただきました。

見学ツアー内容

開催日

平成23年11月21日・22日

訪問先

株式会社サタケ(広島県東広島市)
株式会社ベネッセコーポレーション(岡山県岡山市)

【1日目】株式会社サタケ(広島県東広島市)

1日目の訪問先、食品産業総合機械メーカーの㈱サタケは1896(明治29)年、日本で最初の動力式精米機メーカーとして創業されました。また、その独自のノウハウを活かして、精米・製粉機器分野に加えて産業機械、環境機器、食品といった新規分野でも、画期的な新商品を次々と発表しており、現在これらの商品は140カ国以上で販売されているとのことです。人類の3大穀物である「米、麦、とうもろこし」を通して「食」で世界に貢献できる会社であり続けることを目指しておられます。
私たちは、社員食堂で社員の方々と同じ定食をおいしく頂き、会社案内のビデオを見た後、福森副社長にお話を聞かせていただきました。

福森副社長

「仕事は上司のためにやるものではない。お客さまに喜んでいただける仕事をしてほしいというメッセージを、社長から社員に発信してもらったことが、会社の転機となった。仕事と家庭の両立に関しては、仕事と家庭は車の両輪であり、どちらも大切です」と熱く語られました。

 

さらに、同社の両立支援推進のキーパーソンである木谷人事部長から、同社の取り組みについて伺いました。「社員が仕事と子育てを両立させることができ、働きやすい環境をつくることにより、全ての社員がその能力を十分に発揮できるような企業を目指しています。特に、『男性の育児参加』の促進にも積極的に取り組んでいます」とのことでした。同社作製のポスターには、育休を実際に取得された男性社員が登場するなど、オリジナリティーあふれた取り組みが行われていました。

 

労働組合の方や育休取得者との質疑応答に続き、社内保育室「Bam・Boo(ばん・ぶー)」を見学しました。この社内保育室は、手作り感あふれる保育室で、社員の要望をもとに、幼稚園の開園時間前後だけ預かる二重保育も行われており、社員のニーズを踏まえた運営により利用者は年々増えているとのことでした。

社内保育室「Bam・Boo(ばん・ぶー)」

また、同社の2代目社長、佐竹利彦氏がヤシ研究の第一人者であったことから、同社には佐竹氏が収集されたヤシの植物園と資料室があり、貴重なヤシのコレクションには驚くばかりでした。

本社外観

【2日目】株式会社ベネッセコーポレーション(岡山県岡山市)

2日目の訪問先は、㈱ベネッセコーポレーションでした。通信教育、出版などの事業を行う会社で、出版事業においては、妊娠から出産・育児までの子育て情報誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』などが有名です。

 

玄関に掲げられたバナー

岡山後楽園からほど近い本社を訪問すると、社内の至る所に現代アートの作品がありました。これは社員の心の目を養ってほしいという考えからだそうです。そんな魅力あふれる空間の地下2階にあるホールで、同社の取り組みについて、人財部の池田課長からお話を伺いました。

人財部池田課長

同社の両立支援の歴史は古く、1981(昭和56)年の朝礼で、すでに創業社長が女性活用についての方針を語っておられたそうです。同社では、男女平等で個人の能力に着目した人事制度やさまざまな両立支援制度などを導入していますが、その根底には「経営戦略としての位置づけ」があり、社員を『人財』と捉え、その力を引き出すこと、社員の成長を支援することなくして事業の成長も企業の発展もない、という経営の確固たる意志に基づいて進められているとのことでした。

 

また、同社では人財部の「ざい」という文字には「財産の"財"」の字が使用されており、現在、この人財部では、「自立した社員が自らのワークとライフをマネジメントする」という考え方をベースに取り組みが進められています。これは、「ワークもライフもほどほどに」ではなく、「ワークとライフを自分自身でマネジメントすること、そして、会社はそれを支援する」という考え方です。

 

地域や社会とのつながりの中で気づきを持ち、視野を広げることで、社員が実生活で必要なサービスを実感し、お客さまへのサービスアップにつなげるとともに、メリハリのある仕事をすることで仕事や仕事外の生活の質を高めることができます。その結果、本人だけでなく会社にとってもメリットになるという観点から、同社では「ワーク・ライフ・マネジメント」を実施されているのです。

 

最後に、育休取得経験者である男女2人の社員の方から時間短縮勤務制度、スーパーフレックス制度などの良さと合わせ、制度を活用したことによる仕事や家族に対するさまざまな気づきなど、貴重なお話を伺うことができました。

育休取得経験者による講演の様子

ツアーに参加したセンタースタッフのコメント

広島県、岡山県の先進企業2社を訪問した今回のセミナー。両立支援制度の必要性を再認識するとともに、どちらの企業も「より働きやすい環境」を目指すその根底には、「お客さまや社員を大切にすることが経営戦略にもつながる」という事実をトップが理解し、発信し続けていることがあると強く感じた2日間でした。