• 文字
  • 中
  • 大

HOME > イベント一覧 > フェスタ > 子育て応援「企業人」セミナーin 姫路 ~経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス~ 『女性活躍がビジネス成功への鍵となる』

子育て応援「企業人」セミナーin 姫路 ~経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス~ 『女性活躍がビジネス成功への鍵となる』

フェスタセンター主催事業 投稿日2012.11.30

開催要項

開催日・場所

平成24年11月30日・兵庫県立姫路労働会館多目的ホール

基調講演

テーマ 企業の経営戦略としての女性活躍推進
講演者

株式会社朝日サスティナビリティ・マネジメント代表取締役社長 高田 誠氏

事例発表

司会進行
株式会社朝日サスティナビリティ・マネジメント代表取締役社長 高田 誠氏子
パネリスト
株式会社香寺ハーブ・ガーデン
代表取締役社長 福岡譲一氏、夢前工場長 藤尾真琴氏
医療法人財団姫路聖マリア病院
看護副部長 沢田洋子氏、法人事務局総務部総務課長 濱崎一志氏

パネルディスカッション
子育て応援「企業人」セミナーin 姫路2013 経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス!

11月30日、姫路を中心とする播磨地域の事業所の経営者や人事担当者を対象に「子育て応援『企業人』セミナーin姫路」が県立姫路労働会館で開催されました。女性が活躍できる組織づくりとは―。その方策を、基調講演と女性活躍推進に先進的な企業・団体の代表者によるパネルディスカッションで探りました。

 

開会に当たり、主催者を代表して姫路経営者協会専務理事の村瀬利浩氏が「ワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現は企業の活性化につながるという観点から、まさに経営戦略そのもの。今日のセミナーが皆さまにとって有意義なものになると確信している」とあいさつ。続いて、企業や医療機関の組織づくりをサポートしている株式会社朝日サステイナビリティ・マネジメント代表取締役社長の高田誠氏が「経営戦略としての女性活躍推進」と題して基調講演を行いました。

高田氏

高田氏はまず、日本は世界に比べて企業の女性管理職の割合が飛び抜けて低いことを紹介。女性の教育レベルが高いにもかかわらず、組織で活躍していないのは大きな問題だと指摘しました。
次に、なぜ女性を活かすべきなのかを女性の価値を中心に説明。「女性がターゲットのBtoC※ビジネスの場合は、ニーズや価値観を理解するために女性が社内にいることの価値は明らか」と例を挙げ、BtoC以外の業種でも、今までと違う発想やスキルが得られるという意味では、男性だけでは起きなかったイノベーションが期待できると話しました。

 

さらに、女性を活かせる組織をつくるためには、出産・育児などをサポートするための制度づくりはもちろん、上司の力が大きいとも。「アウトプット(成果)を重視し、"違うこと"を認識して受け入れ、活かすことが大切だ」と述べました。

 

基調講演後は、株式会社香寺ハーブガーデンから代表取締役社長の福岡譲一氏と夢前工場長の藤尾真琴氏が、医療法人財団姫路聖マリア会姫路聖マリア病院から看護副部長の沢田洋子氏と法人事務局総務部総務課長の濱崎一志氏が登壇。高田氏をコーディネーターにパネルディスカッションを実施しました。

左から福岡氏、藤尾氏、沢田氏、濱崎氏

従業員49人のうち、男性は4人のみという香寺ハーブガーデンでは女性の力が不可欠です。現在はハーブ製品の製造のみならず、ハーブから抽出した成分を予防医療に役立てるという研究を進めており、福岡氏は、「商品開発までこぎ着けることができたのは困っている人の役に立ちたいという優しい気持ちがあったから」と話しました。

 

同社で働く優秀な女性の一人が藤尾氏。パート職でありながら、工場長として部下の管理も行います。「社長はいつも従業員の思いを聞いてくださる。子育てとの両立で問題が発生した時もその都度柔軟に対応していただいた」と藤尾氏。「職場は家庭を持つ女性が多いので、お互いの状況を理解し合い、補い合うことを重視している。結局は一緒に働くスタッフの心と心のつながり」と強調しました。

 

一方、全職員が安心して働けるように環境整備を進めてきた姫路聖マリア病院の取り組み事例を沢田氏と濱崎氏が紹介。病気になった子どもを小児科病棟で見る病児預かりの実施や、インターネットによる就業規則閲覧システムの整備について説明しました。

 

「病児預かりはとても好評だが、預かる側の小児科病棟のスタッフは大変。ことあるごとに、あなたたちのおかげで病院中のスタッフが助かっていると伝え、モチベーションの維持に努めた。また、同時に保育士免許保持者も増員した」と沢田氏。加えて、濱崎氏は一番大事なのは法人トップの理解だと訴えました。

 

最後に会場からの「今後やってみたいと思っていることは」という質問に、福岡氏は「女性の力を結集し、海外でも通用する商品を生み出したい」、沢田氏は「子育て中のスタッフをフォローしてくれている看護師たちのために1週間以上の休みを必ず取れる仕組みをつくりたい」と答え、パネルディスカッションを終了しました。

 

閉会のあいさつに立った北条センター長は「今日のお話の根底にあったのは従業員が大事ということ。うちは無理だと思わず、"できないからできる"に気持ちを切り替えてWLBを推進してほしい」と結びました。