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ワーク・ライフ・バランスセミナー in 神戸 在宅勤務の実現に向けて考えるセミナーを開催

フェスタ終了センター主催事業 投稿日2015.11.13

開催要項

開催日・場所

平成27年11月13日・兵庫県中央労働センター

リレー講演

テーマ 多様で柔軟な働き方の創出~ワーク・ライフ・バランス実現とテレワーク~

講演者

兵庫県立大学経営学部准教授 加納郁也氏
NSR 人事労務オフィス 代表 武田かおり氏

企業での取組事例紹介&パネルトーク

コーディネーター

兵庫県立大学経営学部准教授 加納郁也氏

パネリスト

(株)神戸製鋼所 人事労政部ダイバーシティ推進室担当課長 神尾真裕美氏

NSR人事労務オフィス 代表 武田かおり氏

多様で柔軟な働き方の創出~ワーク・ライフ・バランス実現とテレワーク~

2015年11月13日、「多様な働き方~在宅勤務の実現に向けて~」と題して、兵庫県経営者協会会員企業や連合兵庫神戸地協組合員、その他ワーク・ライフ・バランス(WLB)施策推進に関心のある企業・団体を対象とした「ワーク・ライフ・バランスセミナーin神戸」が、兵庫県中央労働センターで開催されました。柔軟な働き方の創出における在宅勤務について、リレー講演、事例紹介とパネルトークを通して取り組み方法や課題を探りました。

左から、加納氏、武田氏、神尾氏

まず、リレー講演の1人目として、兵庫県立大学経営学部准教授の加納郁也氏が、柔軟な労働時間や勤務場所の選択肢の一つとして在宅勤務があることを説明。制度を導入するためのポイントとして、経営陣の本気度、管理職の理解が必須で、社員間の不公平感が起こらないようにすることが重要だが、それ以上に必要なのが、導入の過程で社員全体の仕事の進め方を見直すことであると解説しました。
続いて、NSR人事労務オフィス代表の武田かおり氏が、社会保険労務士の経験を活かして在宅勤務の重要性・優位性を説明。導入することで、企業経営にとっては特に東日本大震災後はBCP(事業継続計画)対策や節電にも役に立ち、就業者にとっては育児期や介護期の仕事と生活のバランスの確保に、社会にとっては労働力・人口減少の問題解決の一つに不可欠であると説きました。また、導入に当たり多くの助成金制度があるので相談してほしいとアドバイスしました。

 

その後、神戸市内の企業の取組事例紹介として、株式会社神戸製鋼所ダイバーシティ推進室担当課長の神尾真裕美氏から同社が実施している制度内容や活用事例等について説明がありました。

 

同社では仕事と育児の両立支援の取り組みに関する行動計画を見直す中で、在宅勤務日制度をより活用しやすいものにしていったとのこと。一方で、制度の利用状況には課題があり、共用の持ち出しパソコンの整備や職場風土の改革等を通じてさらなる利用者の拡大を目指していると話しました。
パネルトークでは、全国の在宅勤務の事例を紹介。導入理由はさまざまで、雪国ではテレビ電話による通勤時間とコストの削減に役立ち、データ入力会社では複数の担当者が離れた場所でデータ内容を分離して行うことで効率向上とセキュリティー確保を実現、在宅勤務により時短勤務者がフルタイムに戻りやすくなることで、キャリアアップと労働力の強化にもつながると発表されました。

 

相談事例としては、評価制度や職務専念義務を気にする会社が多いが、逆に在宅勤務をしている人は、成果を出さなければと必死になるそうです。テレワーク導入を機に仕事の棚卸しや見える化を進めることにより、テレワークに限らず働き方そのものを見直すきっかけにもなるとのこと。

 

会場からは、不公平でない制度活用方法に関して製造現場と事務職の部署の違いについて質問が出ました。パネリストは、導入直前に反対されぬよう早い時点で労働組合を巻き込んでテレワークを推進することが重要であり、ライフステージに合わせた一時的な配置換えや出張時に活用するほか、製造部門内での事務作業を寄せ集めて在宅勤務を可能にする方法を話しました。
労働災害に関する質問には、「在宅勤務中でも当然適用されるが、セキュリティーの観点からも勤務スペースを限定したり、外出禁止などのルールを定めたりしている会社もあり、そのようなルールを決めること自体は会社の自由である」との説明があり、パネルトークは終了しました。