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兵庫ベンダ工業株式会社-次代の働き方を支援し 優秀な人材が集まる会社に

兵庫ベンダ工業株式会社

所在地 姫路市網干区浜田1555-16
事業内容 鉄鋼・非鉄金属製品の製造、土木・機械・電子回路の設計、各種ソフトウェア開発
従業員数 52人
冊子掲載 情報誌 vol.26 2016年冬
公開日 2016年1月14日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

トンネルの土台となるアーチやエスカレーターの骨組みなど、大型の鉄鋼・非鉄金属製品の製造・加工を行う兵庫ベンダ工業株式会社。技術を継承する働き手を確保するため、従業員のモチベーションアップや子育て支援など、働き続けたいと思ってもらえる環境づくりに努めています。

代表取締役社長の本丸明子さん(左)と取締役の本丸勝也さん。

若い世代を迎えて

姫路市に5つの工場を構える同社では、52人が働いています。その半数以上を占めるのが10代、20代の従業員です。「バブル期は『3K(きつい、汚い、危険)の職場』と敬遠され、新卒者など若い人材の確保に苦労しましたが、景気変動に伴い、十数年前から徐々に入社希望者が増えてきました」と取締役の本丸勝也さんは振り返ります。

とはいえ、50代のベテラン数人の下、中堅世代がすっぽりと抜けている従業員構成では、若手の育成が喫緊の課題でした。顧客の要望に合わせて大型の鉄鋼を正確に加工するには、蓄積された経験と技術が求められます。そこで個々の技術力を高めるために部署を超えて若手を中心としたチームを組み、EV自動車や4Kディスプレイの開発を担当させたり、多様な業種が集まるイベントに参加させたり。それが刺激となって、モチベーションの向上にもつながっています。

一方で、若い世代には共稼ぎの家庭が多く、子どもの発熱や学校行事で休暇を取る男性従業員が増加。「仕事だけでなくプライベートも大事にしたい」と、働き方に対する考えにも変化が生まれました。そこで、一人ひとりの負担を減らすために生産設備を増やしたり、互いの作業状況の共有化を進めて急な欠勤に備えたりと、少しずつ環境を改善していきました。さらに2012年からは、無理なく長く働けるように支援制度の充実に本格的に取り組み始めました。

ユニークな3つの制度を新設

まず導入したのが「育児教育手当」です。子どもの年齢を問わず、習い事に掛かる月額費用を負担するというもので、対象者全員が利用しています。「子どもには小さい時からさまざまなことを経験させて、可能性を広げてあげてほしい」と自身も3人の子どもを育てた代表取締役社長の本丸明子さんは話します。

2年前からは、自宅や事務所と工場をICT(情報通信技術)の活用によってつなぐテレワークの運用も始めました。それにより、高い技能を持った東京在住の技術者を在宅勤務で採用。工場と連携をとりながら、専門的な知識や技術を発揮してもらっています。また、遠方の人に限らず、在宅勤務を必要とする従業員が誰でも利用できるよう環境を整え、育児・介護休業中の情報共有などにも活用しています。

時を同じくして、業績の向上を目に見える形で実感してもらえるよう、単月黒字を達成した翌月には仕出し弁当を配給する制度もスタートしました。メニューは従業員のリクエストで決定し、全員がそろう日に提供されます。

「車通勤者が多く、慰労会開催では出席者が限られるため、全員が等しく享受できる仕組みとして考えました。結果的に一人ひとりが毎月の業績を意識するようになりましたし、楽しみにしてくれていて、従業員からも評判がいいです」と勝也さんは笑顔を見せます。

業績連動型仕出し弁当支給日。

離島の若者の受け入れへ

他にも、ドングリの植樹をする森林保全活動や農業体験といった、従業員とその家族のコミュニケーションを図る機会を設けるなど、多彩な取り組みが評価され、昨年9月、「ひょうご仕事と生活の調和推進企業」に認定されました。

さらに今春からは、沖縄県の宮古島の工業高校と連携して、卒業生の受け入れを開始します。「大きな工場のない離島ではなかなか得られない技術や知識を身に付け、当社で、もしくは地元に戻って活躍してもらおうという試みです。将来的にテレワークを使って繁忙期だけ助けてもらうこともできるかもしれません」と勝也さん。次世代を担う人が選び、いきいきと輝ける職場を目指して取り組みは続きます。

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