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ネスレ日本株式会社 女性の活躍支援からダイバーシティの推進を

ネスレ日本株式会社

所在地 神戸市中央区御幸通7-1-15
事業内容 飲・食料品、菓子、ペットフード等製造・販売
従業員数 約2,500人
冊子掲載 情報誌 vol.25 2015年秋
公開日 2015年10月22日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

1866年、乳幼児の栄養不足による死亡率の高さに心を痛めた創業者が乳児用乳製品を開発したことを出発点とし、スイスで創業したネスレ。その日本法人で約2,500人の社員が働くネスレ日本株式会社では、女性の活躍をサポートすることに焦点を当てダイバーシティの推進に励んでいます。

人材・組織開発部ダイバーシティ担当の藤沢さん(右)と大野さん。

柔軟な働き方ができるよう制度を見直し

ネスレは、創業者の思いを継ぎ、世界で「栄養・健康・ウエルネス」の分野をリードし続けることをグループ全体の目標に掲げ、人々のクオリティオブライフの向上に努めています。さらに、“社員こそが最も重要な会社の資産である”という共通した価値観の下、さまざまな違いを持つ社員が集まった組織の方が新しい発想やイノベーションが生まれやすくなるとの考え方が浸透しています。

2008年からは全世界でダイバーシティへの取り組みを始め、日本でも2009年からダイバーシティ推進担当者を任命して女性社員を対象としたアンケートを実施したり、管理職向けの研修を開催したりと本格的に着手。まずは、家庭や個人の事情に応じてより柔軟に働けるように、ノー残業の推進やフレックス制度をより使いやすくなるよう見直しました。

「『1カ月の中で調整すれば、勤務時間が1日2時間の日があってもよい』という旨がアナウンスされた時、ああ、変わっていくのだなと思いました」と人材・組織開発部の藤沢祐子さんは話します。

女性が活躍し管理職を目指せる環境に

並行して、女性社員の活躍を推進する取り組みも開始しました。「性別、国籍、学歴などさまざまな多様性がある中で、まずは男女のバランスの改善を最優先課題として、女性が力強く走り続けるための『エンジン』強化と『道路』整備の2方面での取り組みを始めました」と藤沢さん。

「エンジン」強化としては、女性若手社員に対して役員や管理職が定期的に面談を行うメンタリングプログラムを新設し、海外のネスレ法人との1年間の人事交流プログラムにも積極的に女性社員を送り出すように。また、女性社員が少なかった工場では、男女4対6の割合で積極的に女性を採用。加えて、6支社・3工場といった全国にある事業所の女性社員同士が、勤務地や職種を超えてコミュニケーションを図れるよう、社内のSNSに交流の場を開設しました。

活躍の場を広げる一方、「道路」整備として、結婚や出産後も働き続けるためのサポートにも力を入れ、短時間勤務は子どもが小学3年生まで可能に。育児休業は最大10日間を有休扱いとし、女性だけでなくこれまでに130人以上の男性社員が利用しました。他に、産前休暇、育児休業、介護休業の対象者には、上司と相談の上で最長6カ月の在宅勤務を認める制度も導入しました。スムーズな復帰に向けても職場復帰前セミナーや育児休業中の部下を持つ上司向けのセミナーを開催しサポートしています。

さらに、2012年に霞ヶ浦工場内に保育所を設立。2年後には神戸本社内に託児ルームを開設しました。「育児休業からの復職率は100%。ここ数年、育児を理由に辞めた人は一人もいません」と同部の大野朋美さんは話します。このような取り組みが実を結び、管理職の女性比率は年々着実に増えています。昨年、これに拍車を掛けるように、「2020年までに管理職に占める女性の割合を20%まで引き上げる」ことを明文化、目標達成に向け支援を続けています。

神戸本社に設置された託児ルーム「ネスレ キッズルーム」。おもちゃや本は子育て先輩社員からの提供です。

グループで連携し多様性の推進を

2013年に創業100周年を迎えた同社。この記念の年に神戸本社では、社員の家族にも職場の雰囲気を知ってもらおうと「ネスレファミリーデー」を開催しました。職場見学や子ども向けの栄養学教室、保護者向けの料理教室などを実施し、社員が家族ぐるみで交流する機会にもなったといいます。今年6月にはこうした取り組みが評価され、厚生労働大臣より、特に高い水準の子育てサポートを行う企業として「プラチナくるみん」に特例認定されました。「トップが目標を明確にし、役員や管理職層が率先してダイバーシティ推進を行うことで徐々に改革が進んできたと思います」と藤沢さんは振り返ります。

数年前から海外のネスレ法人との人事交流プログラムも始まりました。来日する社員は国籍も母国語もさまざま。背景の異なる他国の社員と違いを認め合い、共に働くことで、ダイバーシティをさらに一歩進めていきます。

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