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ムネ製薬株式会社 やる気創出と悩みの解消で働き続けたい会社に

ムネ製薬株式会社

所在地 淡路市尾崎859
事業内容 医薬品製造業
従業員数 68人
冊子掲載 情報誌 vol.21 2014年秋
公開日 2014年10月17日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

約半世紀にわたって浣腸を製造し、現在、国内シェア2位を誇るムネ製薬(株)。評価制度を充実させて従業員のモチベーション維持を図ったり、家庭や職場で抱える悩みを共有する機会を設けたりと、ストレスなく仕事に臨める環境づくりに取り組んでいます。

代表取締役社長の西岡さん(右)と取締役管理部長の津川さん。

働きを評価しやる気につなげる

同社は1906年に現在の淡路市で創業し、湿布薬や傷テープの前身、万金膏の製造を始めました。その後、浣腸に特化した多彩な商品を開発しながら、100年以上にわたり同地で事業を展開。従業員68人の9割以上を周辺住民やI・Uターン者などが占める、地域に根差した企業です。

しかし、地元主体の経営に危機を感じた時期もありました。淡路島がリゾート地として注目された1990年代のことです。宿泊施設や娯楽施設が増えて地域が潤う中で、中小企業が島で生き残るにはどうしたらいいのかを模索。「当時は従業員40人ほどでしたが、雇用が売り手市場になり、人材の確保が難しくなるのではという不安がありました」と代表取締役社長の西岡一輝さんは振り返ります。

そこで、従業員にやりがいを持って長く働いてもらえるよう、月間売り上げ目標の達成月には全員に金一封を出す制度をスタートしました。「子どもの小遣いにしている人もいます。順調な時、そうでない時など、親の仕事ぶりに関心を持つきっかけにもなっていると聞きます」と取締役管理部長の津川正幸さんは笑顔を見せます。

さらに10年ほど前からは、業務で実績を挙げる、リーダーシップを発揮するなど、特に活躍著しい人を年1回表彰する「キラリ賞」を創設し、日常的な業務に対するモチベーションの向上につなげています。

個々の負担を互いにサポート

製造現場での作業には長時間の集中力や細かい気配りが求められ、現在、従業員の約3分の2が女性です。優秀な人材が結婚や出産で辞めなくてもいいよう、妊娠時には体調に合わせて配置換えをしたり、休暇を与えたり、子育て中は学校行事のために休暇を取れるようにしたりと、体力的にも精神的にも負担が軽くなるように配慮しています。

高い集中力と洞察力が必要な製造ラインでは女性が活躍しています。

「女性が多い分、一人ひとりが自分のこととして考え助け合っています。結婚しても続けやすいと口コミで広まり、親子や親戚が一緒に働いているケースもあります」と西岡さん。

一昨年は育児休業制度を見直し、取得可能期間を1年から最長3年にするなど、内容の充実にも努めています。

一方で、男女関係なく、個々の地域活動やPTA活動を奨励し、休暇も取りやすくしています。土地柄、兼業農家も多く、農繁期などには休暇が取りやすいように、互いの業務をフォローし合える体制ができていると言います。

皆が声を上げ小さなことから改善

昨年の春からは、職場での問題点を解消しようと、業務を円滑に進めるに当たっての課題とその改善策を従業員自らが記入する「改善提案書」を作成。「輸送口が熱くて困る。スポットクーラーを置いて対応しては」「作業場への入退室手順をより効率よく」といった普段は言えずにため込んでいる小さな〝もやもや″を気軽に申告できるようにしています。

改善提案書は一枚一枚、必ず社長が目を通してコメントを記入します。

また今年2月には、ひょうご仕事と生活センターの「ひょうご仕事と生活の調和推進企業宣言」に登録。時期を同じくして、大きな課題となっている残業や休日出勤への対策を練ろうと、週1回、部署や立場を超えて意見を交換する「プロジェクトX」を立ち上げました。話し合いから出たアイデアを基に、一部の業務をマニュアル化して誰もが一定のレベルでこなせるようにし、簡単な作業は新たに募集したパート従業員に任せて仕事量を軽減することで、約半年の間に残業を1人当たり1日平均1時間削減し、休日出勤をほぼゼロにすることに成功しました。

「従業員の満足度を上げることが新たな商品開発や、地域や社会の信頼につながり、結果的に利益を生み出します」と西岡さん。今後も、個々が感じる大小のフラストレーションを皆で共有して一つ一つ改善しながら、働く人にとって〝いい会社″を目指す取り組みを進めていきます。

プロジェクトXでは、性別や年齢を気にせず率直な意見を出し合っています。

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