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ミツ精機株式会社 意欲的に無理なく働ける 地域に根差した企業に

ミツ精機株式会社

所在地 淡路市下河合301
事業内容 航空・宇宙機器部品の機械加工、ニット編機・舶用機器・医療機器部品の機械加工およびアッセンブリー
従業員数 215人
冊子掲載 情報誌 vol.20 2014年夏
公開日 2014年7月10日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

淡路島で航空・宇宙機器や医療機器等の精密部品の加工などを行うミツ精機(株)。資格取得や外部研修を勧奨し、高度な技能で会社を支える従業員のモチベーション維持に努めています。また、農業や子育てなど私生活との両立をサポートすることで地域に寄り添う会社を目指しています。

代表取締役社長の三津さん(右)と総務課の小川さん。

能力アップでやりがいを生む

1933年に大阪で創業した同社は、太平洋戦争で被災し、戦後間もなく先代社長の親戚が暮らす淡路島に移転。多くの島民の力を借りて再興に至ったことから、「地元に恩返しを」を合言葉に、島内に拠点を置いて働く場を提供し続けてきました。

約70年の間に、事業は徐々に拡大しグループ会社を設立するまでに成長しました。企業の発展を支えてきた従業員に対しては常に敬意の念を抱き、やりがいを持って働ける職場づくりに取り組んでいます。生産現場で働く人たちを「職人」と呼び、技術力の向上を支援するのもその一つです。

「他人から評価されないとモチベーションは維持できません」と代表取締役社長の三津千久磨さん。成果が目に見える形で表れる技能検定への挑戦を、30年以上も前から推奨してきたと言います。受験費用の全額を負担し、取得した場合は業務評価に反映。目に付く場所に合格者の名前を張り出したり、希望者を募って勉強会を実施したりとやる気の創出に努めています。「自主的に先輩が後輩を指導し、業務時間外に対策に付き合う光景も当たり前になってきました」。現在、国家試験合格者は80%超、その高い数字が全体の学習意欲につながっています。

また年間売り上げの約1%を人材育成費として還元しています。新入社員や管理職への研修などのほか、入社年数を問わず外部研修への参加を推進し、先進的な技術はもちろん、マナーや経営管理能力といったビジネススキルを習得する機会を提供しています。各部署のリーダークラスが研修に出掛けることも多く、若手だけで仕事をこなす訓練のための良い機会にもなっているそうです。

メリハリある働き方で兼業可能に

従業員の多くは島内在住で、兼業農家が大半を占めています。そのため仕事と農業の両立が重要な課題と考えられてきました。特に働き盛りの世代は親の高齢化により、田畑でも中心的な立場となっており、田植えや収穫を理由に休暇が取得できるようにしています。従業員側も、早朝や夕刻を農作業に充てられるよう、メリハリを付けた効率の良い作業で残業を減らし、業務内容を共有して誰かが抜けた穴をカバーするなど、働き方を工夫しています。「みんなが同じ悩みを抱えているので、理解し合えるようです」と総務課の小川隆史さんは話します。

日頃から互いの作業内容を把握するなど、部内で業務の共有に努めています。

また、事務職や技術職などさまざまな部署で33人の女性が活躍しています。子育て中の人も多く、急な残業や休日出勤をなくすために日頃から職場全体で注意を払うよう呼び掛けています。さらに育児休業については「子どもにとってお母さんの存在が大きい時。会社に悪いと思わずできるだけ長く休んでほしい」というトップの思いから、復帰の期限を決めていません。戻った後に利用できる時短勤務も短縮時間を一定にせず、個別の事情に合わせて調整しています。「おかげで出産や子育てを理由に退職する人はほとんどいません」と三津さんは胸を張ります。

地域との共存共栄を目指して

5年前から年1回のアンケート調査も始めました。業務に対する希望から、「作業服のデザインを変えてほしい」「お弁当をもっとおいしく」といった日常的な要望まで、できる範囲で少しずつ改善に努め、より快適な環境にしようと励んでいます。

また、2013年にはひょうご仕事と生活センターが実施する「ひょうご仕事と生活の調和推進企業宣言」に登録しました。「センターから派遣される相談員さんと共にさらなる環境改善に取り組みつつ、今後は地域との関わりを深めていきたい」と三津さん。近年、島外からの就労者が増え、地域にうまく解け込むための支援も必要になってきました。従業員と島民とが接する場を積極的に設け、それが地域の活性化につながるように取り組みを進めていきます。

資格取得者や教育方針を見やすい場所に張り出してやる気アップを図っています。
技術職で活躍する女性が「モノづくりプリンセスコンテスト」で入賞。

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