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看護職が安心して働ける職場を目指し 夜勤時でも預けられる院内保育所を整備

医療法人社団豊繁会 近藤病院

所在地 尼崎市昭和通4-114
事業内容 医療業
従業員数 175人(男性70人、女性105人)※2010年11月現在
冊子掲載 平成22年度 第2回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2010年11月17日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

医療機関に勤める看護職は、その激務から人材がなかなか定着しないといわれる中、近藤病院は高い定着率を誇っています。その要因となっているのが「職員が生き生きと働き続けられる環境づくり」です。「看護職が幸せならば、患者さんも幸せ」という思いの下、朝のあいさつ運動や職員が安心して働くことができる職場づくりに向けた施策に積極的に取り組んでいます。

「あいさつ運動」が功を奏し、職場がより和やかになり、スタッフ間の相互サポートも活発になりました。

まずは職員の笑顔から

同院で毎朝行われているのがあいさつ運動です。7時半になると、病院の従業員入り口には、理事や事務局長らが並び、通勤してくる職員を「おはようございます」の声で迎えています。

きっかけは、7年前に行われた病院の増改築工事でした。工事に伴って煩雑な作業が増え、看護師や看護助手は疲弊しきっていたといいます。「職員に笑顔がなければ、患者さんを元気にすることなどできない」とのトップの判断で、あいさつ運動が始まりました。

「管理職以上が率先して職員にあいさつや声掛けをすることで、職員は自分たちが必要とされていることを実感します。院内の雰囲気がとても良くなり、自発性を育てる土壌にもなりました」と看護部長の越田廣子さん。医療スタッフ同士でも「ありがとう」「お疲れさま」の言葉が交わされるようになり、忙しいチームがあれば先に仕事を終えたチームが当たり前のようにサポートに回ります。「だからうちはほとんど残業がありません」

同僚看護師の協力と理解が不可欠

こうした良好な職場環境を支える仕組み、施設も充実しています。院内保育所は24時間体制で、夜勤の看護職も子どもを預けることができます。

自転車通勤の職員については、雨天の日は職員が送迎する体制も整っています。これは、朝のあいさつ運動の時、傘を差しながら通ってくる様子を見て危ないと感じた管理職による発案だそうです。また、シフト表は常に前日に見直され、急性期病床に勤務するスタッフの中で緊急の用事などが入って出勤できない場合などは、他部署の看護職に応援を頼むなどして、負担が掛からないようにしています。

また、子育てをなるべく優先したいと考える看護職の中には、パートに切り替えて辞めることなく働き続け、子どもが小学校高学年になってから通常勤務に戻るケースもあるといいます。その場合、夜勤専従の看護師を配置するなどして対応しており、同僚看護師の理解と協力なしには実現できません。「安心して働いてもらいたい」との考えが、全職員に浸透しているからこそできることだといえます。

24時間体制の院内保育所。夜間業務の職員も安心して働けます。

成果を物語る低い離職率

看護師の離職率は一般的に1年で15%程度とされていますが、同院では過去12カ月で5.1%という低い数値を実現しています。人材確保に苦労する病院が多数ある中で、同院では、職員が友人を紹介するケースも多いといいます。男性看護師の一人は「以前はしっかりした研修を期待して大きな病院に勤務していましたが、人間関係も希薄で孤独を感じていました。近藤病院は職場の雰囲気が明るく、先輩がいろいろ教えてくれるだけでなく、忙しい時はお互いフォローする体制ができているので働きやすいですね」と話します。「近藤病院を自慢の職場だと思ってくれているみたいです」と越田さん。

「かつて看護職は、自分の生活は犠牲にすることが美徳だった時代がありましたが、疲労度が大きくなれば医療事故にもつながる恐れがあります。病院にとって大切なのは患者さんの安全を守ること。そのためにも、まず看護職が笑顔で生き生きと働ける環境づくりが大切なのです」と越田さんは言います。

雨の日は、自転車通勤の職員を送迎する体制が整っています。
看護職の離職率は低いレベルを維持。働きやすい職場環境の証しといえます。

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