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顧客満足は社員満足から 社員の声を反映する多彩な仕組みを用意

光洋電機株式会社

所在地 神戸市兵庫区湊町2-4-29
事業内容 電気材料卸売業
従業員数 27人(男性17人、女性10人)
冊子掲載 平成23年度 第3回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2011年11月16日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

「卸売業の財産は人に尽きる」。光洋電機の木部享社長はそう気付いてから、徹底的に社員とコミュニケーションを図ることを心掛けてきました。階層別のミーティングを開き、社員から出てきたアイデアを任せていくと、自律する組織が出来上がっていきました。社員発案でボランティア活動にも積極的に取り組んでおり、「自分のやりたいことができる風土づくり」にさらに磨きをかけています。

女性社員が定期的に開催する勉強会 「進華会」 では、 外部から講師を招くこともあります。

「卸業の財産は人」に気付く

「あの時、ノーと言っていれば今のような会社にはなっていなかったかもしれません」。7年前、木部社長はある女性社員からの申し出で、会社のホームページ作成・更新の一切を任せた時のことをこう振り返ります。

木部社長はホームページを新たに作ることを提案し、その制作を外部の企業に委託する考えを伝えました。すると一人の女性社員から「自分がやりたい」と手が挙がり、「喜んで」と返したのです。「本人はまったくゼロから勉強し、研修に参加しながらホームページを作ったことを後から知りました」。この後、社内全体に自分で意見を出せば任せてもらえるという意識が根付き、さまざまなアイデアが出てくるようになったといいます。

木部社長が専務だった10年ほど前は、社員が安定して働けるようにするにはどうしたらいいか悩んでいました。懸命に働く姿を見せればおのずと社員も付いてくるだろうと考え、「自分はこれだけ頑張っているのに」と社員のせいにばかりしていたそうです。ある時、禅寺で住職と問答を繰り返す中で、「卸業の財産は人だということが分かりました」と木部社長。社員の声に耳を傾けていなかったことを反省し、まず一人一人とコミュニケーションを取ることから始めました。

毎朝10分間、社員たちが楽しく話し合うことで社内融和に加え、コミュニケーション能力もアップ。

上司の申請でパートから正社員に

リーダー、中堅クラス、若手の階層別で、またそれとは別に女性社員で、勉強会を月1、2回の頻度で開催しました。全てのミーティングに木部社長も参加し、会議から出てきたよいアイデアは即実行に移し、責任を任せることで社員がさらにミーティングに真剣に参加するようになりました。新たに定めた企業理念「社員一人一人が自覚と幸せを認識できる企業であろう」、企業ビジョン「100年企業を目指す」も社員の声を反映し、決まったものです。

業務の効率化や残業時間の削減についても社員が自分たちで考え、取り組んできました。基幹システムを変更するとともに、チーム別に作業を改善し、いかに残業時間を減らせるかを考えました。そのプロセスで、女性パート従業員を社員にしたいとその上司が願い出てきたそうです。「何かあれば部署全体でフォローする」と覚悟を語る上司に、ビジョンに書かれた「自覚と幸せ」を感じ、認めることにしました。現在の課題は、有給休暇の取得推進だそうです。

パートから正社員に昇格した児玉さん(右)。社員の連帯感が会社を動かしました。

今年4月、社員からの提案で東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の避難所へ支援物資を送り届けました。その後も、播磨中学校( 播磨町)の生徒たちが取り組む被災地支援活動に共鳴した社員が協力を申し出て活動の輪はさらに広がっていきました。ボランティアは直接仕事に結び付くわけではありませんが、「会社という場を通じて、自分が幸せを感じることができるなら」と木部社長は言います。

今年3月、初の育児休業取得者が現れ、かつてのことがうそのように社員の定着率も向上しました。自らのやりたいことを会社で実現できるということが分かり、それがこの会社で働くモチベーションにもつながっているようです。

社員の提案により実現した東日本大震災の被災地支援。宮城県石巻市に物資を届けました。

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