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話し合いで働きやすい環境づくり オフィスに子ども部屋、在宅勤務も

株式会社オーシスマップ

所在地 養父市八鹿町宿南2589-1
事業内容 デジタルマッピング、測量業全般、システム開発
従業員数 46人(男性28人、女性18人)
冊子掲載 平成23年度 第3回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2011年11月16日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

さまざまな地理情報を盛り込んだデジタル地図の作成とシステム開発を手掛けるオーシスマップは2001(平成13)年、農業が基盤の養父市八鹿町に誕生しました。統廃合で空いた中学校の校舎をオフィスに、従業員の子ども部屋を設けるなど子育て支援に熱心です。従業員同士の話し合いを重視し、働きやすい環境づくりに力を注ぐ経営努力が躍進の原動力になっています。

従業員同士の話し合いを重視した働きやすい環境づくりの結果、次々と新規事業のアイデアが生まれて います。

中学校の旧校舎がオフィス

同社は、大阪の測量会社を辞め、実家に戻った大林賢一社長が、1人で開業。官公庁向けのサービスで急成長し、地元採用を中心に今では約50人の従業員を抱えます。

現在の本社は中学校の統廃合に伴って空いた校舎です。一風変わった環境で働く従業員は、ほとんどが20~30代の若者たち。教室を改装したオフィスの中で、ずらりと並んだコンピューターに入力する様子は、まるでパソコン授業のようです。

かつての保健室は、従業員が持ち寄った玩具があふれる子ども部屋に変わりました。子どもを連れて出勤しても、安心して遊ばせることができます。また体育館では、昼休みや終業後にソフトバレーを楽しむこともあります。校庭の一角には従業員の畑を作り、土に触れることで作業で疲れた心身を癒やします。

本社内に設置されている子ども部屋。

ミーティングで社内改革

順調に業績を拡大してきましたが、当初は従業員のやる気を引き出すことに苦労しました。「飲み会を開いたり、社員旅行を企画したりしましたが、評判はいまひとつ。会社の雰囲気が不満で、辞めてしまう社員もいました」と、大林社長は振り返ります。

独りよがりを反省し、働く環境づくりを、従業員らに任せることにしました。まず、取り組んだのが、数人の小グループによる「社内満足度向上ミーティング」を週1回のペースで定例化すること。始めると、若い従業員たちから次々と不満や改革の声が上がりました。大林社長は発言を真剣に受け止め、すぐに社内改革をスタートさせます。

小さな子どもがいる従業員が多いことから、各自が月1回の家族の日を決め、その日は定時で帰ることにしました。システム開発の業界では、長時間残業が当たり前のようになっているといいますが、「家族のために早く帰ろう」という呼び掛けに従業員の意識が変わりました。転職で入社したある従業員は「妻の誕生日に家族で食事ができたのは初めて」と大喜びしたそうです。

専門の知識とデータ処理能力が要求される職場のため、緊張をほぐす仕掛けが大切。

人事評価も従業員同士で

さらに、子育て支援として在宅勤務制度を導入するなど、家族と過ごす時間を確保するため、みんなが知恵を絞りました。

家庭の都合からフルタイムで働けない女性従業員や、夫の転勤で遠方に引っ越した女性らは在宅勤務制度のおかげで仕事を続けることができます。子どもの学校行事に参加するため、一時退勤するのも自由です。従業員のうちで女性が3分の1を超えるのは、こうした柔軟な勤務体制による働きやすい環境があるからです。

環境整備が進むにしたがって、従業員の仕事への意欲が向上。次々と新規事業のアイデアも上がるようになったそうです。

話し合い重視、社内の透明性重視の経営方針をもとに、人事評価や賞与の分配も小グループの従業員同士で行います。メンバー評価制度と名付けており、昇給と賞与の時期に、入社年数や仕事内容が同程度の者同士で互いの業務評価を用紙に記入します。「人間関係がぎくしゃくすることを懸念しましたが、心配無用でした。お互いに納得できる評価になっています」と大林社長。

新規採用者は、測量士などの有資格者を除き、全て時間給からスタートします。正社員への登用も透明で、上司の評価とメンバー評価制度がもとになります。大林社長は「良い会社にするのは従業員自身。なんでも話せる環境が、会社を強くします」と笑顔を見せました。

ワーク・ライフ・バランスのために開発された独自のコミュニケーションツール。 全従業員のパソコンで見ることができ、仕事の効率化を図っています。

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