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働いた分だけ評価する自由勤務を実現 真のユニバーサル企業を目指して

株式会社エス・アイ

所在地 姫路市石倉26-3
事業内容 顧客管理からDM発送回収集計まで一括したアウトソーシング業務、データ入力、集計、コールセンターの開設等
従業員数 74人(男性 7人、女性 67人)※2010年3月現在
冊子掲載 平成21年度 第1回ひょうご仕事と生活のバランス 企業表彰事例集
公開日 2010年3月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

(株)エス・アイは、創業来「残業をしない」という方針を貫いてきた結果、誰もが生活の都合に合わせて働くことのできる自由出勤という仕組みに行き着きました。社員の仕事と家庭との両立が図られる一方で、優秀な人材が集まり、請け負うことのできる業務の幅も広がるなど、働く社員、会社の双方にとって恩恵を生み出しています。

自由出勤にしたことで社員の生産性も向上しました。

「残業のない会社に」という思いで

データ入力やソフトウエア開発の請負を主業務とする同社。社員は、8時から18時半までの間であれば、7時間45分を上限とする中で自由に勤務時間を選ぶことができます。8時に出勤した後、11時にPTAの会合のためにいったん家に戻り、13時に再度出勤して、子どものおけいこの送迎のため16時に退社するといった勤務形態も可能で、生活の都合に合わせて出勤時間を自由に設計できる仕組みになっています。

今本茂男社長は、以前の職場で「仕事の効率が落ち、家庭に悪影響を与える残業は百害あって一利なしと感じた」経験から「残業のない会社に」と掲げて創業しました。しかし仕事が増えるにつれ、残業をせざるを得ない状況が生じ、パートタイマーを採用することに。自由に時間を選んで働けるようにしたところ、優秀なパートタイマーが集まりました。時間がたつうちにパートタイマーから「社員と同じ仕事をしているのに」と処遇への不満が聞かれるようになり、時給を社員並みに増額することにしました。

すると今度は社員から、「自分たちも勤務時間を選べるようにしてほしい」と要望が出てきました。社員の出勤時間を自由にするとともに時給制に移行、一方でパートを社員化し、全員を社員としました。「残業をしないように済ませるためにはどうしたらよいかを考え、そこで出てくる課題を解決してきたらおのずと今の仕組みが出来上がっていた」と、今本社長は言います。

生産性を評価する仕組みを構築

自由出勤を成り立たせるために欠かせないのが社員を評価する仕組みづくりです。社員一人一人の仕事の生産性を客観的に把握するシステムの構築に努めました。従業員の出退勤や労働時間は、離着席時に使用する端末機を通じて分刻みで管理。データ入力量と処理時間などを基に1人当たりの生産性がはじき出され、その数値が、半年ごとに時給に反映されます。オフィスで働く社員に私語は一切なく、仕事に集中します。「限られた時間を大切にしようと思うから、おのずと生産性も向上する」と今本社長は話します。

出勤スケジュールは、1カ月前に全社員が提出する予定表を基に作成されます。その時の仕事量に応じて仕事を配分し、追い付かない日は休業予定者に出勤を依頼することもありますが「あくまでも社員の都合に合わせている」。一方で、今ある仕事量を、働きたいと思う社員で分け合う仕組みのため、同社の1カ月の勤務上限時間である168時間を超えてもっと働きたいという社員も中にはいます。そのような社員については、他社で働く重複就業を認めているそうです。

社員の出退勤は分刻みで管理されています。

ユニバーサルな会社を目指して

「働きたいという意欲があれば雇用していきたい」と話す今本社長。従って、定年はなく、障がい者も受け入れています。採用時に聞くのは「あなたはこの仕事ができますか」ではなく「何を手伝ってもらえますか」。74人の社員のうち障がいがある社員は9人。聴覚障がいのある社員は入力作業に従事し、知的障がいの社員は接客業務に当たります。集まってきた社員の得意分野を生かそうと、新しい事業分野へ次々に挑戦する今本社長。2010(平成22)年1月には播磨地域の情報をまとめたサイト「はりまるしぇ」(http://harimarche.com/)を開設するなど、雇用の受け皿も広げています。「いずれは社屋に託児所も併設したい」と、誰もが自身の都合と意欲に応じて働けるユニバーサルな会社を目指し、進化を続けています。

データ入力からコールセンターまで業務の幅は広がっています。

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