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主婦のスタッフも正社員にプロ意識で定着率向上

医療法人社団 伊藤歯科クリニック

所在地 西宮市甲子園町3-2-4
事業内容 歯科医業
従業員数 14人(男性1人、女性13人)
冊子掲載 平成28年度WLBな会社ガイド 兵庫版
公開日 2017年5月19日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

スタッフのほとんどがパートという歯科医院が多い中、伊藤歯科クリニックは正社員となる道をつくり、さまざまなライフステージにおいても高いモチベーションで働ける環境を用意しています。プロ意識を持ったスタッフが育つことで患者が定着し、安定経営にも寄与しています。

朝礼の様子。プロ意識を持ったスタッフが活躍しています。

取り組みのポイント

★診療時間の短縮(17時に受付終了)
★研修と資格取得を応援
★ミーティング等による情報共有および満足度の高い職場環境の実現

経営理念を定め全員で共有

同クリニックには一般の歯科医院とは違う特徴がいくつもあります。受付時間が17時までと早いこと。ほとんどのスタッフが正社員であること。患者の9割が予防のクリーニングを目的に来院することなどです。
歯科衛生士の定着率が低く、パートでも新たな確保が難しいといわれる歯科医院の世界ですが、同クリニックでは、ほとんどの歯科衛生士が辞めることなく、スキル向上のために学び続けています。全員がプロ意識を持ち、患者一人一人に真摯に向き合うことで、結果的にクリーニングのリピーターが増えています。
そんな同クリニックも、8年ほど前まではスタッフ同士があいさつさえ交わさないような雰囲気の職場だったそうです。「私自身技術さえ磨き続けていれば収益は上がるだろうと思い込んでおり、スタッフのことに全く気が回っていませんでした」と代表の伊藤尚史医師。スタッフの不満がたまり、ミスも頻発する状況でした。
そのころに出会った歯科衛生士の経験があるコンサルタントに現状を打ち明けると、「医師、衛生士、患者が別々の所を向いている。まずはどのようなクリニックを目指すのかを考え、それを全員で共有することだ」とアドバイスを受け、「お口の健康を通してあなたの人生を豊かにします」という経営理念を定めました。
そして、伊藤医師も参加するスタッフミーティングを月1回実施。ミスにつながりかけた「ヒヤリハット事例」を報告し合い、反省をもとにどうすれば改善できるのか方向性を共有しました。当初は、そうした報告さえ嫌がり辞めていく人もいましたが、報告のたびに「ありがとう」を返す伊藤医師の姿勢、さらには、「ミスを少なくすることは患者に喜んでもらえること」という理解が浸透し、思いを一つにするスタッフが残りました。
「結果的に子育て中、もしくは子育てを経験した主婦のパートが多くなりました」

月1回のスタッフミーティング。マイナスの情報も隠さず共有し、皆でミスを減らす努力をしています。

正社員化でプロの自覚が育つ

おのずと働きやすい環境を整える必要が出てきました。
19時半まで受け付けていた受付時間を17時に繰り上げ、主婦でも働きやすい環境にしました。ただ、年末になると、年間所得が配偶者控除を受けられる上限に達しそうなスタッフばかりになり、やりくりが難しいことも。そこで、伊藤医師は思い切って全員を正社員に登用。「1人当たりの人件費は2割ほど増えますが、やりがいをもって働いてもらえるのではと考えました」
やがて、歯科衛生士一人一人に“固定患者”が付くように。「ドクターを補助するアシスタントではなく、患者さんのお口を健康にするプロとしての自覚を持って働いてくれるようになりました」

歯科衛生士がやりがいを持って丁寧に接しているのでリピーターが増えています。

有給休暇取得率はほぼ100%

スタッフミーティングのほか、毎週カンファレンスを開催。また、スマートフォンのアプリを活用して全ての患者の状況を共有し、仮にその患者を担当する歯科衛生士が休んでも対応できる体制を整えています。その結果、有給休暇の取得率はほぼ100%です。チーフを務める平山麻依子さんは「当院の歯科衛生士はよりレベルの高い認定歯科衛生士の資格取得を目指しており、患者さんのために自発的にスキルアップを図っていることも誇りです」と話します。明るく前向きな雰囲気が伝わる同クリニック。
新たに4人の歯科衛生士の採用が決まっているそうです。

スタッフのライフスタイルに合わせた自由度の高い勤務体制。

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