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社内の取り決めの透明性と平等性を高め 従業員のベクトルの方向を一つに

株式会社オーシスマップ

所在地 養父市八鹿町八鹿1264-11
事業内容 地図情報作成
従業員数 40人※2010年11月30日現在
冊子掲載 情報誌 vol.6 2010年冬
公開日 2010年12月1日

※上記については、表彰時あるいは情報誌等記載時のデータです。

養父市にある地図情報コンサルティング会社、㈱オーシスマップは2001(平成13)年に社長の大林賢一さんが独りで立ち上げ、現在、従業員は40 人にまで増えました。躍進には、技術力の高さはもちろん、評価方法や勤務形態などにおいて、誰もが納得した上で気持ちよく働ける環境づくりに努めたことも大きく影響しています。

代表取締役 大林 賢一さん

新オフィスはかつての中学校

同社では航空写真を基に3D形状のデジタルマップを描き起こしたり、道路や河川を測量して地形図を製作したりしています。今夏、養父市街にある本社から、業務機能のほとんどを旧青渓中学校の校舎を活用した「青渓技術センター」に移しました。「本社は手狭でしたが、こちらは部屋が多いので、みんなのために有意義に使えます」と大林さん。

従業員が不要になった玩具を持ち寄り、かつての保健室は"子ども部屋"に。休日に子どもを連れて出勤しても安心して遊ばせることができます。昼休みや終業後には、体育館でソフトバレーボールを楽しむ従業員もいるそうです。
「汗を流すのが気分転換になるのか、どの顔も以前より生き生きとしています」

 大阪の大手測量会社に勤めていた大林さんは、母親が体調を崩したのを機に但馬に帰郷。2001(平成13)年に独りで起業してから、わずか9 年間で急成長を遂げた背景には、従業員の自主性に重きを置いた"改革"がありました。

3Dマップの製作には立体的に見える特殊な眼鏡を使用します

気持ちよく働ける雰囲気づくりを

「設立から5 年間が心身ともにきつかったです」と振り返る大林さん。当時、日中は得意先を回り、夜は空っぽになったオフィスでモニターに向かう毎日でした。やがて受注数に比例して採用者を増やしていくと、新旧の従業員の不協和音が目につくように。「相談を持ち掛けられても忙しさにかまけて後回しにしたことも。社内の雰囲気にもっと気を配るべきだったと反省しましたね」。親睦を深めようと宴席を企画しても、反応はいまいちだったといいます。

「一日の大半を過ごす会社は、気持ちよく働ける環境でなければなりません。誰もが納得できるルールづくりが必要だと考えました」。大林さんは社内のあらゆる決定事項において、従業員の自主性を尊重した取り組みを次々と始めていきました。その最たるものが「メンバー評価制度」。昇級と賞与の時期に、入社年数や仕事内容が同程度の従業員同士で互いの業務評価を用紙に記入するというものです。「最初は人間関係がギクシャクするかもしれないと思いましたが、杞憂でした。その人の良い点を認め、悪い点もしっかり指摘していますね」

新規採用者は、測量士などの資格を持つ即戦力を除けば、全て時間給からスタートし、上司の評価やメンバー評価制度などによって正社員への道が開かれます。入社8 年目になる女性は着実にスキルアップを果たし、今春、管理職に昇進しました。

「気兼ねなく大きな図面を広げられます」と測量課の面々 広々とした新オフィスは大好評です

正社員もパートも大切な仲間

大林さんは従業員を「メンバー」と呼びます。「社員とパートに分けるのが嫌なので。女性の中には家庭の都合でフルタイムで働けない人もいますから」

従業員40 人のうち16 人が女性。「この業界で女性が4割を占めるのは珍しい」そうですが、この数字は女性が働きやすい職場であることの証しでもあります。学校行事に参加するための一時退勤など、個々の事情に柔軟に対応しており、育児休業が明けても子どものそばにいたい人や、夫の異動で転居した人には「在宅勤務」という形で仕事を出しています。

「メンバーたちは社内の雰囲気に満足してくれていると思いますが、この先、世代や価値観の異なる人が入ってくれば変化していくでしょう。経営者にとって働きやすい環境づくりは永遠の課題。現状に満足してはいけません」と気を引き締めます。

従業員たちが持ち寄った健康器具が並ぶトレーニング室
毎年6月は恒例の社員旅行。行き先は、幹事を中心に従業員たちで決めています

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