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アクションプランテーマ 働き方の見直しで
WLBが実現できる職場づくり

WLB実現には、これまで長時間していた仕事を短時間でいかに成果を上げることができるのかも問われています。
時間内で仕事を終えて自身の私生活時間を確保する働き方の見直しが必要です。
働き方の見直しでWLBが実現できる職場づくりのために検討すべき課題とアクションプランの標準モデルを紹介します。

アクションツリーテーマ働き方の見直しで
WLBが実現できる職場づくり

課題一部の従業員に仕事が偏り、若手が育たない

原因業務の見える化がなされていない

背景●業務負荷の高い従業員の業務内容・業務量等が見えていない。

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改善策
業務負荷の高い従業員の業務洗い出しと負荷の分散①自身の業務を洗い出しします。例えば、営業であれば、見積作成、顧客への提案書作成等の大項目、さらには、見積作成に必要な業務をいくつか業務フローをイメージしながら、大項目の業務をさらに細分化
②上記①の項目区分に沿って、1週間から数か月の間、自身のやってきた業務内容、かかった時間、難易度を記録
③その後、「かかった時間」が短い日常的な業務や「難易度」の低い業務等を周囲に分散
運用上のポイント
●フォーマットを用意し、毎日の終業前に書き込めるようにします。
●「難易度」は5段階評価などで表記しますが、個人の主観をなるべく減らすために、上司や同僚などからも難易度をチェックしてもらいます。

原因若手従業員を育てる時間がない

背景●若手従業員自身のスキルの獲得状況がわからず、効率よくスキルを伝授するのが難しい。

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改善策
ベテラン従業員からのスキル伝授ベテランの業務を、若手自らがベテランに聞き取り調査(質疑応答形式)
聞き取りした内容をマニュアルに整備
運用上のポイント
●あらかじめ聞き取り調査に必要なフォーマットを用意しておきます。
●多忙なベテラン従業員が調査に協力できるよう、職場単位でスキル伝授時間を1週間に1回設ける等のルール化をします。
具体的な事例など
「従業員対象の職場体験会を開催」(S社:運送業)
運転技術や荷主とのやり取りの中で、ベテランが培ってきたノウハウがあり、顧客ごとにドライバーがつくことで、多能工化やジョブローテーションがなかなか進まない状況でした。
そこで、職場内でほかの仕事を知ってもらおうと職場体験会を実施しました。
そこでは、初めてその職場を体験する従業員が事前用紙に質問したい内容や体験したいことを具体的に記述し、ベテランドライバーに聞き取り調査。
体験会終了後は別の用紙に気づきや学びを記述しました。
体験会を通してベテランの技術を学び、さらにはこれまで顔をあまり合わせることがなかった従業員同士のコミュニケーション向上にも成果が上がっています。

原因個々の従業員のスキルが見えていない

背景●スキル獲得状況をどのように見える化したらいいのかがわからない。

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改善策
スキルマップの作成業務に必要なスキルの洗い出し
スキルごとに「①人に教えることができる」「②自分でできる」「③マニュアルを見てできる」「④教えられてできる」等に分けてレベルを把握
運用上のポイント
●スキルマップによる整理・分類方法は様々あります。他社事例も参考にしながら、職場内で必要なスキル、分類方法をディスカッションしてまとめていくこともあります。
●スキルの中にはベテランの「コツ・カン」といったものもあります。
このような重要なスキルもできる限り洗い出しをして、伝授できるようにしていきます。
具体的な事例など
「互いの仕事を補完しあう」(M社:サービス業)
同社では一人一人の仕事を棚卸しするとともに、互いの仕事を補完し合えるようにマトリックスシートを導入しています。
仕事の技能を横軸、人を縦軸に取り、一つ一つの技能について4段階のレベルのマスに分け、誰がどの仕事をどれくらいできるかが一目で分かるようになっています。仕事を補完し合えるようになるには、全ての技能を2人以上が習得しなければなりません。
加えて、この表を見ると自分にどのようなスキルが足りないのかは一目瞭然で、それぞれ何を習得すべきかが明確になります。

課題業務量が減らず、定時退社が守れない

原因管理職が部下の業務量を把握していない

背景●部下の業務進捗状況を把握していない。
●管理職が多忙で、相談などの時間が取れない。

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改善策
朝礼・昼礼・終礼等で業務把握朝礼・昼礼・終礼などいずれかの時点(もしくは複数)で、一日の業務状況や相談したい事等を短時間で報告
運用上のポイント
●朝礼では、一日の業務計画や業務遂行上の課題等を把握し、終礼では、残業者の確認とその残業予定時間の報告をしてもらいます。
●ホワイトボード等で個々人の業務計画や退社時刻(朝礼時等に記入)を管理するなどの方法もあります。
具体的な事例など
「身近な方に感謝を述べる朝礼」(H社:食品加工業)
一日の始まりに社員が意識を合わせようと、同社では「朝礼」を定例化しました。その内容はユニークです。
業務連絡はわずか数分。あとは従業員が「身近な人への感謝の言葉」を述べるというものです。
最初は誰も発言しませんでしたが、少しずつ活性化しました。
働く仲間やお客さま、いつも支えてくれている家族や友人に対しての感謝の言葉が毎日繰り返されることで社内に"ありがとう"があふれ、雰囲気を変えていきました。

原因管理職が部下に任せずに抱え込んでいる業務がある

背景●部下の業務進捗が見えず、部下に負荷をかけないように自分でしてしまっている。
●自分自身の業務の棚卸ができていない。

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改善策
管理職から部下等への一部業務・権限を委譲管理職自身の業務の棚卸で「やめるべきもの」「効率化するもの」「自分以外に任せていいもの」を仕分け
部下の業務進捗や負荷状況を把握したうえで、「自分以外に任せていいもの」を委譲
運用上のポイント
●「やめるべきもの」には、重要度と緊急度が共に低い自己満足等で行っている業務があります。
「効率化するもの」には、手続きや手順で簡略化できるものがあるかを確認してみます。
●数多くの仕事を管理職の承認を待って進めなければならないとなると、必要以上に時間がかかる場合があります。管理職と部下の役割をあらためて見直し、現場への権限委譲を進めることで、意思決定を迅速にし、管理職がマネジメントに集中できる環境ができ、部下の手待ち状態を減らすこともできます。
具体的な事例など
「重要度と緊急度のマトリクス」
日々の業務(ToDo)やこれまでやりたくてもできなかったこと等、自身の業務内容を棚卸し、その業務ごとに「重要度」「緊急度」を採点して、業務の優先順位付けや、業務の見直し(重要でも緊急でもないもの等)をします。
①業務内容の記載(例:○○店舗への販売提案資料作成、○○商品販促会議の参加、、○○営業日報の電子ファイル化)
②重要度の採点(例:「とても重要」4点、「やや重要」3点、「あまり重要でない」2点、「まったく重要でない」1点)
③緊急度の採点(例:「とても急ぎ」4点、「やや急ぎ」3点、「あまり急ぎでない」2点、「まったく急ぎでない」1点)

原因計画的に仕事ができていない

背景●仕事に期限を設けず、漠然とこなしている。
●完成度にこだわりすぎて計画通りの期日に間に合わない。

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改善策
業務のデッドライン設定すべての業務にデッドライン(業務完了期限)を設定
完了期限前に70%の完成度で上司などと仕上がりを確認
運用上のポイント
●すべての業務において、いつまでに行うのかを決めます。上司から指示を受けた時には、その場で完了期日や出来上がりのイメージ、他の業務との優先順位の確認を行いましょう。
●業務の完成度は「まずは70%主義」で仕上げて、職場内の上司や他部署担当者等と出来上がりを確認します。
資料作成など完璧を求めすぎて時間がかかり、結局、間違った内容で作成してしまった、といったことがないようにします。

原因突発業務の対応に追われて、本来業務ができない

背景●互いの業務が見えず、フォローができない。
●突発業務にも対応できる一日の計画が立てられていない。

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改善策
業務スケジュールの設定と共有毎日の業務スケジュール(15分~30分刻み)を朝に計画し、上司に確認を得たうえで職場内で共有
突発業務が入った場合のヘルプ体制を構築
運用上のポイント
●1日の業務計画立案が習慣化されることで、本来業務を時間内に終わらせることへの意識を高め、不測の事態などへ対策も講じやすくなります。
●さらに、業務時間の実績も合わせて終業時刻前に記録することで、予定と実績の差異がわかり、自身の時間の使い方への気づきが生じます。その日の終業時に気づきを記録し、上司などからのコメントをもらえる工夫をしておきましょう。
具体的な事例など
「15分刻みのシフト表を整備」(O病院:医療業)
正看護師の確保が容易ではないため、これまでパート看護師を積極的に受け入れてきました。
毎日の引き継ぎ業務や夜勤の確保などに苦労を伴いますが、15分刻みのシフト表を作成して勤務できる時間に入れるようにしているほか、引き継ぎの内容を分かりやすく伝えるためのワークシートをそろえたり、夜勤専門の看護師を雇用したりと、業務が円滑になるように工夫しています。