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アクションプランテーマ 仕事と生活の両立を経て
活躍できる職場づくり

育児や介護といった時間に制約のある従業員も働き続けられるよう、生活時間に配慮した多様で柔軟な制度や仕組みづくりが重要です。
仕事と生活の両立を経て活躍できる職場づくりのために検討すべき課題とアクションプランの標準モデルを紹介します。

アクションツリーテーマ仕事と生活の両立を経て
活躍できる職場づくり

課題介護で優秀な人材が辞めていく

原因介護に関する情報が不足している

背景●社内に介護経験者がおらず、どこから情報を知ったらいいのかもわからない。

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改善策
介護に関するハンドブック作成・介護との両立に向けた研修仕事と介護の両立に必要な公的機関の支援情報、企業独自の支援制度や相談窓口一覧等を掲載
ハンドブックを活用しながら介護に関する研修を実施
運用上のポイント
●労働者の多くは介護の直面していない方が多く、関心を高めるために、要介護者の増加といった社会的背景や、介護していた労働者の両立事例等を掲載する等といった工夫をしてみましょう。
●読むだけのものでなく、書き込み式にする工夫もあります。例えば、親等の生活状況(生活口座は?健康保険証の保管場所は?等)や介護に対する希望(在宅介護or施設介護?お世話になりたい施設は?等)を網羅して書き込めるようにすると、親等との対話にも活用できます。
具体的な事例など
センター発行「仕事と介護の調和支援ハンドブック」
このガイドブックでは、『介護をより身近なこと』として捉えてもらう工夫をしており、働きながら介護するときのケアプランの事例や介護に必要な自身や家族の状況をチェックできる書き込み式のハンドブックとなっています。
https://www.hyogo-wlb.jp/center/research-study/research-care

原因介護を自分一人で抱え込んでしまっている

背景●身近な相談者としての上司自身が制度のことを知らない。
●自分が休むと周囲に迷惑がががると考えている。

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改善策
介護支援制度周知のための管理職研修身近な相談者である管理職に介護支援制度を周知徹底
誰が休んでも仕事が回るよう、働き方の見直し方法を学ぶ
【研修内容例】
介護休業、介護休暇、時間外・深夜勤務の制限等の内容や活用例を紹介
働き方の見直し実践例の紹介
相談対応のロールプレイ 等
運用上のポイント
●介護に関する支援制度が活用できるよう「働き方の見直し」を促すことも大切です。働き方の見直しに必要なマネジメントスキル(リーダーシップ、コミュニケーション等)の必要性についても一緒に学べる場となれば効果的です。
●管理職が相談を受けた時にどのような対応をしたらいいのか、対応マニュアル、ヒアリングシートの整備や研修において相談事例からのロールプレイ実施も有効です。
具体的な事例など
「仕事と介護の両立準備セミナー」(I社:製造業)
管理職層は40~50歳代と、親などの介護がいつ始まってもおかしくない年代です。その方々を対象に、セミナーを開催しています。社内外の制度についての理解や、親等との対話の重要性をお伝えします。参加者から、介護施設の種類や選び方、認知症となった場合の対応方法、介護に必要なお金のこと等の多岐にわたる質問がなされています。

原因遠距離介護では面倒を見ることができないと考えている

背景●要介護者の居住地の支援サービスや相談窓口を知らない。
●親等の要介護者からの要望を聞く機会がない。

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改善策
遠距離介護者への情報提供ハンドブックや社内のイントラネット上等で「遠距離介護者に役立つ情報」を掲載
【掲載内容例】
要介護者居住地の自治体相談窓口や支援内容
要介護者となりうる親等の希望や生活状況等の確認事項チェックリスト 等
運用上のポイント
●介護支援の内容は各自治体ごとに様々です。そのため、適切な相談窓口や支援内容の情報提供は重要となってきます。
●情報収集においては、まずは各自治体(県・市町村)の「介護支援課」等が作成しているHPやパンフレットを確認します。
●親等を呼び寄せることで、不利な状況になる場合もあります(特別養護老人ホームの待機、暮らしの変化による状態悪化など)。遠距離介護を前提とした制度整備はとても重要です。

課題結婚・出産・育児を理由に女性が辞めていく

原因男性が多い職場なので、育児しながら働き続けるイメージができない

背景● 育児しながら働くキャリアをイメージできない。
●キャリアと生活の両立などの悩みが相談できない。

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改善策
キャリア形成支援両立支援制度の紹介やキャリア形成に重要なスキルなどを学ぶ研修(連続講座)を実施
【研修内容例】
育児・介護支援制度の説明
問題解決力、リーダーシップ、コミュニケーションのスキル向上
仕事と育児の両立実践者(社内もしくは社外から招へい)からのアドバイス 等
運用上のポイント
●キャリア研修の効果を高めるために、上司から研修参加者に寄せる「期待」を伝え、最後に研修成果を上司に報告できる仕組みを作ります。
●仕事と育児の両立実践者からは、両立のためのちょっとした工夫(生活の中での時短術等)等も伝えていただきます。あらかじめ研修参加者から事前質問を受け付ける方法もあります。
具体的な事例など
センター主催「女性活躍推進プログラム@神戸」
当センターでは毎年、神戸市との共催で女性人材のキャリア形成のための連続講座を開講しています。リーダーシップ、問題解決力、キャリアデザイン等の講義とワークを通して、女性リーダーとしての育成を図りつつ、異業種の女性人材との交流もできるプログラムとなっています。

原因上司が仕事と育児の両立に無理解

背景●育児期の従業員は休業・短時間勤務があり、重要な仕事は任せられないと思っている。
●上司も両立支援制度を知らず、相談を受けても対応できていない。

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改善策
ダイバーシティ・マネジメント研修男女ともに働き続けられる職場づくりに必要な管理職としてのスキルを磨く研修を実施
【研修内容例】
女性活躍推進の現状・課題
多様な人材がもたらす効用等の事例紹介
両立支援制度の内容紹介
相談対応のロールプレイ 等
運用上のポイント
●今後、女性人材の採用を積極的に進めようとする場合、女性人材の採用計画を伝えたうえで、全管理職を対象に研修を実施します。
●女性人材に集まってもらって、管理職から言われたくない「NGワード」などを事前に収集し、研修で紹介すると効果的です。

原因育児での休業や短時間勤務で周囲に迷惑がかかると思っている。

背景●仕事のこと、育児との両立のこと等での悩みや自身の希望が、上司や周囲に伝わっていない。

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改善策
妊娠期から育児休業復帰後の上司との定期面談妊娠がわかったときから育児休業復帰後まで、仕事上で不安に思うことや制度利用の意向等をしっかりと確認
運用上のポイント
●妊娠期はつわり、通勤混雑等で出社が困難なこともあります。両立支援制度を十分に理解したうえで、面談時に制度を活用できることや、仕事面で配慮してほしいことを確認しておきます。
●育児休業時には、定期的(月1回程度)に職場であった出来事をメール等で伝え、職場とのつながりやコミュニケーションを図ると、育児休業者の復帰に対する不安が軽減されます。
●育児休業復帰後は仕事(特にスキル)に対する不安があります。復帰前後で仕事にどのような変化があったのかを適切に伝え、必要ならばスキル向上のためのOJT等を行ってみてください。
具体的な事例など
「ライフイベント別のWLB制度紹介冊子を発行」(M社:卸小売業)
結婚、出産、育児などでどのような社内制度が使えるのか、従業員にあまり周知できていなかった同社。そこで、制度をひとくくりに紹介していたのを見直し、従業員が出産した時にはどのような制度が使えるのか、有給休暇も様々な利用例があることを知っていただくために、イラスト入りでWLB関連の社内制度を紹介する冊子を作成しました。

原因両立支援制度を活用できない雰囲気がある

背景●仕事以外の私生活面(家庭の状況など)のことはお互いあまり知らない。

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改善策
子ども参観日等の実施子どもを持つ全従業員を対象に、年に数回、従業員の子どもが会社訪問できる日を設定
運用上のポイント
●従業員同士がそれぞれの家庭のことを知ることで、子育て社員に対する理解が醸成されます。育児をしていない若手従業員にも積極的に企画に参加していただき、将来の自分たちのことを考えるきっかけにもしてみましょう。
●子ども参観日は定時退社日に合わせ、お子様と一緒に帰ることができるなどの工夫をして、家庭に向けても会社がWLB実現に積極的に取り組んでいることをPRしましょう。
●子どものいない従業員には、親等が参観できるファミリーデー等の工夫もあります。